オトメイト

□永久の約束
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「オレさ、ずっと考えていたんだ。いつ、この命がなくなるかなんてわからない。もしかしたら、明日かもしれないし、明後日かもしれない。一年後、十年後、千鶴の傍にいれるかすら保証すらなくって。もしかしたら、このことで千鶴を縛ってしまうかもしれないって何度も悩んだ。それでも、ちゃんと千鶴の夫としてこれからは一緒に暮らしたい。この先の未来も、ずっと。だから―――……」
オレのお嫁さんになってオレの傍にいてほしいんだ。

そう言い終わるより先に千鶴がぎゅっと平助に抱きついていた。
「ありがとう、平助君。私、今、ものすごく幸せだよ」
「オレもめっちゃ幸せ!いつか、離れる時が来ても、ずっと心だけは隣にいるから」
その言葉を言ったのと同時に平助はぎゅうと千鶴を抱きしめた。

「心だけじゃないよ」
ふわりと微笑んで言った彼女の言葉に、「それは、どうゆう意味だ?」と浮かんだ疑問が表情に現れたのだろう。くすりと彼女は笑ってこう続けた。

「心だけじゃない。平助君との思い出は全部、私が覚えているから。だから、心だけじゃないよ」
「千鶴……。ありがとな」
「私も。平助君と一緒にいたいって、わがままを聞いてくれて、ありがとう」
「バーカ。それは、わがままじゃないっての!オレも千鶴と一緒にいたい。だから、これは、おまえのわがままじゃなくって、オレたちの願い、だろ?」

出会った頃と全然変わらない屈託のない笑顔。千鶴は平助のその笑顔に励まされてきたのだと思う。そして、彼の笑顔が何よりも大好きで。

「……ありがとう」
平助が生きることを諦めないで、自分の隣に居てくれたことや、結んだ絆を確かなものにして残そうとしてくれることが、ただ嬉しくって感謝の気持ちを一つの言葉にして伝えた。

「それはオレのセリフだよ。オレを選んでくれて、ありがとう。絶対に幸せにするからな!」
「もう。幸せにするんじゃなくって、二人で幸せになるんだよ。…忘れちゃダメだからね」
「ああ。約束する。これからも、ずっと一緒にいよう」

お互いを想う気持ちが心を繋ぐなら、形が変わっても、ずっと一緒に――……


END
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