オトメイト

□目覚まし隊士
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藤堂平助篇


「平助君!平助君!起きて、朝だよっ!」
早朝、平助が目を覚ますと目の前には千鶴の姿があった。
「千鶴…!?何でここにいるんだよ?オレまだ眠いんだけど」
「もう、何でって今日は平助君と私が当番でしょう?
平助君がなかなか勝手場に来ないから迎えに来たの」
そう理由を述べる。
彼女の言葉で今日が朝食の当番係だったのを平助は思い出した。
「あーっ!やべっ 忘れてた!!」
と、言うと平助は着替える為に支度をする。
その様子を見て千鶴は、
「平助君、先に勝手場に行ってるね」
こう言い残してこの部屋から去ろうとしたが
平助に名を呼ばれ足が止まり、振り向いく。
「千鶴」
「うん?」
「起こしに来てくれてありがとな。
着替えたらすぐに行くからまってろよな!」
そう彼が彼女に笑いかけると彼女は頷き微笑むと千鶴は勝手場へと戻って行った。


着替えが終わり、少しでも早く勝手場へと行けるようにとバタバタと足音を響かせながら
屯所の廊下を文句を言いつつ走ってゆく。

「ねみいぃーっ
何でよりによって今日が朝飯の当番なんだよっ」
「おい、平助!うるせぇから静かにしやがれ!」
早朝から彼のたてている騒がしい音と声が響き
その音で目が覚め苛立った土方の怒鳴り声で平助は足を止めた。
後を振り向くと、そこには
もの凄く不機嫌な顔をした声の主の姿がある。

「げ、土方さん…。わかってるよ。けど」
「けども何もじゃねぇよ。
どうせ昨日も夜更かししてたんだろうが。」
「うっ」
土方の言葉通り、平助の寝坊の原因の一つは
左之助と新八の三人で酒を飲み交わしていたのもあるので反論できない。
ちなみに、その一方で食事当番のことを忘れていたのもあったりする。
そんな彼の様子に、溜息を一つ漏らし続けてこう言った。

「まあ、いい。早く行けよ。
支度が遅くなって朝飯が遅れたら新八が騒ぎそうだからな」
その言葉を受けて平助は
「新八っつあん、うるさいからなあー」
と、同意する。
「ほら、早く行け。千鶴が待ってるんだろ?…説教はその後だな」
最後の一言はボソッと呟いた程度で平助の耳には入らなかった。
「ああ。じゃ、土方さん千鶴を待たせているから行ってくるぜ!」
そう言い残すと、平助はその場から走り去っていく。
「…ったく、仕方ねえやつだな」
後で覚えとけよ、そう付け足したがその言葉は平助に届かなかった。


バタバタと足音が聞こえ、その足音が止んだのと同時に平助が勝手場に現れた。
「千鶴!待たせたな。さっき土方さんにちょっとつかまってさー」
と、平助は先程のことを千鶴に話し始める。
「そんなに、急いでこなくっても大丈夫だよ?」
と、千鶴が言うと平助は
「いーの!オレが千鶴と少しでも長くいたいだけなんだから」
「平助君…。ありがとう」
「って、それより早く準備しようぜ」
彼の言葉に彼女は頷いたのが合図となり少し遅れた朝食準備が始まった。


…この後、寝不足が続いてる土方に呼ばれ、平助が説教を喰らったのは言うまでもない。


END

ブログの方で一部公開していた部分を
編集したり他の部分を加えたら
思ったよりも長くなったorz

あ、出た診断結果は
05:00に「うわぁあああ!眠いよぉおおおお!」と起こしてくれます。

だそうで笑
平助らしすぎるww

平助の場合は千鶴を起こすんじゃなくって
千鶴に起こされると思い
ドタバタして土方さんに怒られるパターンかと←

もしも 土方さんじゃなくって
出てきたのが総司なら
「ねえ、今何時だと思ってるの?…それとも」
ニヤリと笑みを浮かべ
「僕に斬られたい?」

的なねww

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