オトメイト

□1秒の幸せ
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「君と過ごす1秒が僕には幸せで失いたくない時間なんだよ、千鶴」
「私も総司さんといる今が物凄く幸せです」

(だからまだ目の前から消えないで下さい)

なんて言葉にしたら彼を困らせるだけだから
それは彼女の胸の内に秘めたままで。

対する総司も
(まだ僕は死にたくない。千鶴をおいて逝きたくない。)
そう願っているが言葉に出すのが怖いと思っている。

「ねぇ、千鶴」
「はい」
「僕の命が果てるその日まで傍にいるって約束してくれる?」
「私は総司さんと一緒に歩む道をとっくに選んでいるんですよ?当たり前です」
そう言いながら千鶴の瞳からは涙の粒が溢れてきて言葉は震え上手く喋れてない。彼女の瞳から溢れた涙を指ですくいながら総司は、
しょうがないなぁ、千鶴は。そう言った。
「千鶴が泣き虫だから僕はまだ近藤さんのいる場所には行かないから安心して」
「総司、さん…」
「僕もまだ千鶴と一緒にいたいからね」
「じゃあ、約束してください。」
不確かなものだけれど約束という名のものでそれで少しでも不安を取り除けるのなら。
(悪くはないかな)
「うん」
2人の小指と小指が絡まり、顔を見合わせ千鶴と総司は微笑みあう。


1秒の幸せ
一緒に過ごす時間のすべてが愛しい日々となり、その幸せが少しでも長く続きますように。

END
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