遙かシリーズ
□ひだまり
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部屋の方までたどり着くと
ひだまりの中で気持ちよさそうに
寝息たてて眠る彼女の姿を見つけた。
「まったく、こんな無防備な顔で寝てどうなっても知らないよ?」
お前を狙っている輩はいくらでもいるんだから。
そう言いながらそっと優しく頬に口付けを落とす。
ふわりと風が吹く。
風にそよぐ柔らかい紫苑色の長い髪。
その甘い香りがオレをくすぐった。
彼女の頭を膝に乗せ、膝枕をしている形になる。
見つめてるただそれだけで幸せな午後。
些細な事でも一緒に過ごすことがこんなにも
幸せな気分になるなんて望美と出逢わなければ
きっと こんな様に思うことなんてかったんだろうな、
と思いながら膝の上で寝ている望美を優しい眼差しで
見つめながらヒノエは思っていた。