遙かシリーズ

□without you
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「私は…」
―――還らないといけないの。
そう言おうとしたけど
彼の腕が身体を引き寄せ彼に抱きしめられる。
「…行くなよ。頼むから。還らないでくれ」
そう 耳元で囁かれるように彼は言った。
私だって還りたくない。

ずっと 傍にいたいと思っている。
けれど 白龍の神子としてこの世界に召喚された私はこの世界にもう存在価値などないのだから。
それに望美には後ろ盾がないのだ。
きっと、彼の足手まといにしかならないだろう。
立場が違いすぎる。
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