遙かシリーズ
□新年
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元旦 早朝
ピンポーンと望美の家のチャイムがなった。
「はーい」
望美はドアを開ける。
「おはよう。望美――いや、明けましておめでとう」
「今年もよろしく。」
と言い、望美の腕を引き
頬にキスをする。
「ヒ、ヒ、ヒノエくん!こんな公衆の面前で・・・!」
と、頬を赤く染めながら言う望美。
「ヒノエ、いい加減にしたらどうです?」
と、あくまで微笑みながら言う弁慶。
「アンタに言われる筋合いなんてないね。」
弁慶は変わらず微笑んでいるまま。
だが、瞳が笑っていない。
(しかも、弁慶さんさっきより黒さが増している!)
「ところで、姫君。オレに言うことはないの?」
―――そうだ!新年の挨拶がまだだったんだけ・・・。
「ヒノエくん、今年もよろしくね。」
「勿論。望美を幸せにするのはオレしかいないからな!」
「ヒノエくん・・・」
と顔を朱に染める望美。