オトメイト
□幼なじみ
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天気予報は晴れだったはずだ。だが、窓から外を覗くと見える景色は空が薄暗くなり太陽が隠れ、土砂降りの雨が降っている。
(どーしよ。傘持ってきてねぇや。)
天気予報では今日は快晴で降水確率が低く傘も折りたたみ傘も持ち合わせてない。
(この大降りじゃあ、1時間くらいで止みそうにねぇし。)
授業中そんな景色を藤堂平助はため息をつきながら見ていると授業を行っていた土方に注意された。
運悪く今は土方が受け持つ古典の授業。
「平助、俺の授業中によそ見とはいい度胸しているじゃねぇか。」
しまった、と思いながら素直に謝る。
(だって土方先生を怒らせたらこぇもんなぁー。ぜってぇこき使われそうだし。)
「よし、それじゃあ平助。お前、平家物語を冒頭から読め。」
「えぇ〜、なんでオレが・・・!!」
そう言おうとしたが、途中でギロっと睨まれ
「さっき、ぼーとしていた罰だ。」
こう言い切られたので、ぶつぶつと心の中で文句をいいながらも平助は教科書を読み進めてく。
やがてチャイムが鳴り、本日最後の授業が終わるのを示した。