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□English!
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あぁ。
今日も君は黒崎と共に行動するんだね。

石田は本と読みながらも、横目で楽しそうに笑うルキアを見つめた。
その隣にいるのは自分ではなく、
黒崎一護。

この男が彼女にとってどんなに特別か、
そして彼にとっても大切な存在かはもう十分過ぎるほど知っていた。

毎日のように喧嘩する2人を仲裁しながらも
羨ましく思う日々はいつまで続くのだろう。

一日千秋。

想いを告げたらどんなに楽だろう。
だが、その想いはすぐに砕けてしまう事は分かっている。
悩ましい日々。

「石田」

石田は我に返り、思わず声を上げる所だった。
心配そうにルキアが石田を見上げている。

「あ・・・あぁ朽木さん」

冷静と保とうとメガネを上げる。
するとルキアの手が額に伸びた。

「眉間に皺寄せてると一護みたくなるぞ。」

そういってルキアはぐりぐりと石田の眉間を押した。

「おい!ルキア!」

一護が怒鳴る。
それは自身の事を言われただけではなく、無防備にルキアが石田に触れた事をも意味していた。
そんな思いが込められているとも知らず、ルキアは一護に振り向く。

「本当の事だろう!」

そう言ってルキアは笑った。
ルキアの手が離れていく。
その手を繋ぎとめたい気持ちを止めるのに必死だった。

白い綺麗な手。
握りたい気持ちを抑えつけていたのに、どうして君はそんな無防備にするんだい?
どうして君はいつもいつもいつもいつも
僕の気持ちなんて気付いてないくせに憧れていた事をするんだ。
叶わないと気づいていながら
気持ちは止まらず、どんどん好きになっていく。

顔を赤く染め、それを本で隠す石田を
織姫は見つめていた。






「おいお前ら!この間のスペリングテスト返すぞー」
一斉にブーイングが起きる。
成績トップの石田にとっては何の問題も無いのだが。

「石田ー」

赤で大雑把に書かれている数字は1と0が2つ。
外を見てもの思いに耽っていると

「朽木ー」

意識的になのか無意識的なのか自分でも分からないが思わず反応してしまう。

「ぬぉッ?!」
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