DRRR!!(長編)

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「左腕骨折、肋骨も何本か折れてたよ。その上全身打撲がいつもより酷い上にとどめに頸部圧迫と来たものだ!本当に静雄がこれをやったのかい?」


あの後セルティに連れて来られた場所には、何の因果か旧友である岸谷新羅がいた。
どうやら闇医者というのが新羅のことらしく、同時に門田はセルティがあの散々自慢していた同居人だと気づく。
しかし今はそれについて聞いている場合ではない。


「岸谷、それで臨美は・・・?」
『大丈夫なのか?』
「大丈夫だよ、連れて来られた時は危なかったけど今は持ち直したよ。後は本人次第だね。」
「そうか。」


よかった、と門田とセルティは安堵した。
本当に臨美が死んでしまうのではと思ったぐらい酷い状態だった、だから無事で本当によかった。

「それで、だ。本当に静雄がやったのかい?セルティが言うことを疑いたくはないんだけど信じられなくてね。」
「・・・ああ。」
『私だって静雄があんなことをするなんて信じたくはない。』

だが、事実だった。
静雄は、本当に臨美を殺そうとした。
それを門田とセルティは間近で見ていた。



++++++++++++++++++++++



またいつもの喧嘩か、と思った。
だが臨美の様子がいつもと違うことに気づき、少し気になって追いかけた。
なぜか嫌な予感がして。
途中見失ったが、ようやく見つけ出せたときには。


「やめろ静雄っっ!!」


臨美の首に手をかけている静雄、そしてぐったりとしている臨美がそこにいた。
気づいた時には切れた静雄の恐ろしさを分かっていながら静雄の腕を掴んでいた。


「離すんだ、静雄っ!」
「るせえ、邪魔するんだったらてめえも殺すぞ門田。」
「っ、ふざけるなよ!」


ゾッとした。
常の切れた様子など比ではない、恐ろしいまでの殺気。
それを分かっていても引くわけにはいかなかった。
このままでは静雄は本当に臨美を殺してしまう。
実際今臨美は息をしているのかも分からない、そんな状態だった。
早くしなければ手遅れになる。


「離せ静雄!このままじゃ臨美が死ぬぞっ!!」
「殺すつもりでやってんだよ。」
「いい加減にしろ!!」
「・・・さっき言ったよな、俺の邪魔したら殺すってなっ!!」
「!」



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