死の魔女と死の外科医

□magic
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「立て」


ジャラっと重たい鎖の音がした。

相変わらず両手は後ろに手錠されたままで、その鎖の先は処刑台へと誘導する海軍の手につながっている。





エース処刑三時間前。





石造りの廊下はシーンと静まり返り、等間隔に海兵が立ち、エースが一歩一歩と終わりに近づくのが見えるが、彼の表情からは何も読み取れない。


彼が瞑想するのは何なのか。


そして外へとつながる長い階段を踏み出した。














この処刑は、世界各地でも波紋が広がっていた。



「白髭のニュースなんて最近あがってこないし、戦場にはもう行かないんじゃないのか?」


「白髭が黙っておくわけないだろう?」


「海軍の中心がすべて集まっているんだぞ?」


「そういや聞いたか?」


「ああ、あの噂だろ?」




「死の魔女が処刑場にいるってやつか」




「これは大戦争になる・・・・」






シャボンディ諸島にいる多くの海賊団は、手薄になっているこの島に集結し、全員が興味津々にその巨大モニターを見つめていた。






「船長、眉間にしわよりすぎですよ。」

潜水しているハートの海賊団。
船長が絶賛不機嫌中なのは仕方ないだろう。



「いつものことだ。」

「最近船長はそんな顔してませんでしたよ。少なくともアカリが来てからは。」


ペンギンのするどいツッコミにちっと舌打ちをすると、これから起こるであろう大戦争の開始を水中で待ち続けた。




************


その頃アカリは空中から三日月形をした海軍本部を取り囲む50隻の大艦隊と、約10万人の海軍を見ながら妖艶に笑っていた。



そして港から見える軍隊の最前列には王下七武海が待ち構えていた。

左から

バーソロミュー・くま

ゲッコー・モリア

ドンキホーテ・ドフラミンゴ

ジュラキュール・ミホーク

ボア・ハンコック

が陣取っていた。






『!真ん中はローの書類によく出てくる人ね。』



あの人には手を出さまい。


ドンキホーテ・ドフラミンゴ.......


きっとローにつながりのある人に違いないし、私が殺していい相手ではない気がした。




そしてしばらくすると

処刑台の足元に

海軍本部最高戦力三大将




青雉 クザン


赤犬 サカヅキ



そして

『お友達だもんね。あなたとは戦えないわ。

黄猿 ボルサリーノ』


が用意されていたイスに深々と座った。

海軍兵士は彼らを見ると、士気が上がったのかわあああああああ!と日の光を浴びて反射する剣を高々とあげていった。




そして、建物から鎖につながれたエースが出てきたことを確認できたが、やはり彼の表情にはもう死の覚悟ができている。




そんな顔してはいけない。



『あなたは死んでい人ではないのよ』



そのつぶやきは聞こえることはない。



それから少し視線をずらすと、正義の門前に一隻の海軍の船が見えた。
しかし乗っているのは海軍兵士ではなく、



『やっぱり来たのね、ルフィー…』



船先についている大砲の上で門を見つめているルフィ―が見えた。




そして彼が引きつれている仲間の中に、エースと同じ牢屋に入っていたジンベエもいることに気付くと、ルフィがインペルダウンにいってきたことを物語っていた。




無茶苦茶するわね。
アカリは苦笑しながらもきっと現われるであろう白ひげ海賊団を待った。
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