死の魔女と死の外科医
□buy me
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「うおおおおおおおお!」
「噂通り美人じゃねェか」
「あれが‘死の魔女’か!こっち向けやぁあ!」
「こっちの檻入ってこいよ、優しく遊んであげるぜぇ?」
「服脱げよ!」
アカリは囚人の声が全く聞こえないかのようにつかつかとひとつの檻の前に歩みより、中にいる男性に話しかけた。
『あなたがポートガス・D・エースね』
「…あんたは誰だ?」
血まみれになり鎖につながれている彼を見ると、笑顔がなくてもやはりルフィーと重なって見える。
それにルフィーと同じ"D"を背負うもの…
ローの本棚に書いてあった"D"が背負う偉大な血筋…
『私は死の魔女、シュラ・アカリよ』
「へぇー…あんたが・・・俺に何の用だ?」
『あなた…る「早く脱げって言ってるだろーが!」
「聞こえねぇのか!」
「ここから出せや」
『…うっさいわね』
アカリはちらっと横をみると黄猿はどうぞ〜と笑った。
彼の許可が出たのならここで私が何をしようが許されるということだろう。
アカリは杖をとりだすと上に向けた。
『クルーシオ(苦しめ)』
その光線はアカリを辱める言葉を発している囚人に飛んでいき、先ほどのような威勢のいい声は聞こえなくなった。
その代わり、もがき苦しむ声だけが檻から聞こえ、その場全員が恐怖のあまり、息を飲んだ。
マゼランたちは何が起こったのかというように、もがき苦しむ囚人を見渡すと思いつきました!という表情で私を見た。
「死の魔女、ここで働かないか?」
『ふふっ人の苦しむ声あまり好きではないの』
「「「「「「いうこととやることが違うだろ」」」」」」
やはりここの人はつっこみが多い。
マゼランたちは苦しむ囚人の中に死者がいないか見まわるために離れ、その場には黄猿とアカリだけになった。
一応私も4億の海賊なのにこんなフリーでいいのかしら。
『話の途中にごめんなさいね。
たださっき新聞であなたの記事読んだの。
あなたの笑顔があまりにルフィーに似てたものだから気になって』
「!…お前ルフィーを知ってんのか!?
あいつは俺の弟だ!!!!あいつは元気なのか!?」
がちゃがちゃと鎖をならせながら私を見上げてきた目には懐かしいという感情がこもっていた。
『ええ、今シャボンディ諸島にいるはずよ。
そう、兄弟だったのね…
だったら私はあなたをマリンフォードの処刑場で助ける理由ができた』
「魔女ちゃ〜ん…僕がいるのにそんなこと言ってもいいのかなぁ?」
『ふふっ私たちお友達でしょ?』
「そっか〜だったらちょっと席を外すよぉ〜」
案外海軍いい人だらけなのかも。
アカリは黄猿に感謝するとその場に座りこんだ。
エースの話を聞くために。