死の魔女と死の外科医
□reborn
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どうだったかい?アカリの過去は。
と楽しそうに語るウィルにローはいら立ちを覚えた。
自分でたとえるなら幼馴染のペンギンを殺すような気持なのだろう。
考えるだけでも狂いそうだった。
「アカリは今、俺の隣でその過去の苦しみからも乗り越えようとしている。
してねぇようなら俺がさせる。
だからお前には消えてもらう」
そういってにやりと笑うローにウィルは一瞬背筋を凍らせた。
本能が自分に警告を鳴らしているのだ。
この男は危ない.......
「何を言ってるんだい?
友人を殺し、その他大勢の命を奪った彼女に残るのは罪だけでいいんだ。
アカリは確かに僕たちのいた世界の時よりは明るくなった。
いや丸くなったとでも言おうか。
けど彼女にそんなもの必要ないんだよ!
君がそうさせているのなら君から消えてもらう」
その部屋にある海水が波のような音を立てたかと思うと、水は形を形成していった。
ローにはかなり不利な状況にも関わらずローは余裕そうに笑っていた。
「言っておくが、アカリより弱ぇ魔法使い屋に負けるつもりはねぇよ!!!」
「大口叩けるのは今のうちだ!!」
「生憎だが俺はいつもこんなんだ」
そしてその形を成した水はライオンの形になっていた。
ウィルの寮のシンボルで、ライオンから発せられる水の噴射を身をひるがえしてローは避けるが、ウィルに近づくことはなかなかできない。
「海水が弱いなんてかわいそうだね」
「そんくらいのハンデをやらねぇとな」
いつまでたってもローの勝気な様子は変わらないのに対し、なかなか終わらない戦闘にウィルはイラつき始めた。
一瞬でも気をちらせたほうが負けだ。
ローはそのことを知っていて、わざとこの行動に出たが正解だったようだ。
それに何よりローには守るものがある。
「くたばるんじゃねぇぞ、アカリ」
隣でぐったりしているアカリにそれだけ言うと、ローは目の前の敵に笑みを浮かべた。
「ヴォルデモート卿より悪魔の笑みだな」
「クククッ 笑みだけじゃねェよ
強さもだ」