死の魔女と死の外科医

□past
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「アカリが2歳の時、こいつの両親を殺したのは俺の両親さ。

そしてアカリは知らないだろうけど、僕たちホグワーツで同じ時を過ごしてきたんだよ?
君よりも3年早く卒業したけどね。




そして今日が何月何日か知ってるかい?








10月31日だよ」







その日付は意識が薄れる私の中にずどんっと鉛玉を打たれたかのように響いた。

忘れもしない日・・・もうそんな日だったのか…

そしてアカリの意識が朦朧とする中、昔話がウィルによって始まった。







*******



シュラ・アカリは生まれながらにして死喰い人になることが決まっていた



アカリの通ったホグワーツ魔法学校は4つの寮があり、中でもスリザリンは闇の魔法使いたちが多く集まる

全員が全員というわけではないが大半はそうだ。

それに対しグリフィンドールという寮は闇の魔法使いたちを撃退する闇払いという職、正義感の強い人たちを多く排出していた。


アカリはグリフィンドールになることを心から望んでいた。
なんせ彼女は死喰い人、そしてマグルを忌み嫌う例のあの人…ヴォルデモート卿を嫌っていたから。


しかし彼女の中には戸惑いがあった。



自分の両親を殺したのは闇払いだ。



アカリは両親の仇を討つことを望んでいた。
そして、闇の魔法使いの中でも名家に入るシュラ家を継ぐのは自分の指名でもあり、両親を弔うことでもあると思っていた。



……死喰い人にならなければならない



そして組み分け帽子という寮を分ける帽子は彼女をスリザリンに選んだ。




「その時、君に話しかけたんだよ?」


ウィルはおかしそうに笑うと覚えてないよね?ともう意識のないアカリを見下ろした。


「初めまして、シュラさん」

『初めまして…』

「美人だね」

『ありがとうございます』

「その様子じゃ言われ慣れてるって感じかな?」



アカリはあからさまに話しかけないでくれというように眉を寄せるがウィルはまだ話し続けた。

しかし彼女から帰ってくる反応は薄いもので、その眼には全く彼が写っていなかった。




「その時僕とても傷ついたんだよ?」

「ふられて妬いてんのか?」

「ははは あながち間違ってないかもね」

「異世界まで追っかけてくるまでストーカーとは気持ち悪い奴だな」



ローはいつものような口元だけで笑うとウィルもそれでも昔話を話し続けた





**********




『エクスパルソ(爆発せよ)』


その声と共に杖から光線が放たれると、目の前に用意された鉄が木端微塵に爆発した。



「さすがシュラ、スリザリンに20点!」


彼女は優秀で、美人で、その上気取らず、スリザリン生にしては珍しい存在だった。


「すごいわね、アカリ!」

『フフッ 他の教科はリリーに負けるわ。単に闇に対する防衛術、私得意なの』

「アカリってスリザリンなのに変わってるわね」


『リリーもグリフィンドールなのにスリザリンと仲良くしてていいの?』

「アカリこそよ!」


リリー・エバンスというグリフィンドールの女の子と仲が良かったアカリは、寮を超えても好かれていた。

特に彼女とは主席争いを常にしていて、彼女と知り合ったことでアカリの世界観も広がっていた。





ただアカリは自分の中の最大の闇を隠しながら.............





その闇は決して学生時代明かされることもなく、魔法界で偉大なる魔法使いに数えられているダンブルドアにも見抜くことはできなかった。

ダンブルドアに隠し事を、隠し通すことができたのはアカリとアカリが嫌う例のあの人だけだ。



アカリは生まれながらにして闇の素質があった。


そしてこのリリー・エバンスと出会ったことが彼女の最大の過ちだった。
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