死の魔女と死の外科医
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ローとアカリがほかのクルーがいるであろう酒場は1階が酒場で2・3階が寝室になっている。
いわば女を連れ込む部屋がある。
中に入ると予想どおりほとんどの船員が集まっていた。
「キャプテンやっときましたかー!」
「今のうちに女連れこめ!とられるぞー!」
「ってもう美人つれてるじゃないですか!!」
どっと笑いがでると、私とローはローのために空けておいたんだろう、1番良いふかふかのソファに腰を下ろした。
もしかして、みんな私って気づいてない?
いつもは薄く化粧するだけのアカリが目元はライナーとマスカラでくるんとまつ毛が強調され、オレンジのチークで淡いやさしさがあり、薄ピンクの唇は誘っているかのようにも見える。
そして体のラインに合わせるような黒色のドレスに身を包んでいるアカリは骨董品のような麗しさがあった。
『美人って言ってくれてありがとう。』
「その声まさか…」
「元から美人だったけど…」
「「「「「「「「「「「アカリ!!」」」」」」」」」」
私以外誰がいるんだ。
もともと着飾ることは好きではなかった
しかし、そんな私に昔は彼女がしてくれていた。
−−−「アカリはこんなに美人なんだから綺麗にしないともったいないわ!」
『−−だって美人じゃない』
「はいはい、今はアカリよ」
そういって髪をセットしてくれていた
彼女と同じようにくるんと髪を巻き、あまり化粧をしない私にチークからアイラインまで、すべてメイクアップしてくれると自分らしくない自分がいた。
輝いている自分。。。
「船長ずるいじゃないですか」
船員がわーわー騒いでいる声に我に返ると、絶賛してくれるみんなに微笑んだ。
「っ/// アカリがその辺の女よりいいことなんて当たり前でしょー!」
あ、シャチ、バカだ。
シャチの言葉に、シャチの相手をしていた女性はキツイ視線をおくると、別の船員のところへ行ってしまった。
今のは自業自得だ。
そんなことには目もくれず、ローはお酒を片手に、ぐいっと私の腰を引き寄せた。
「アカリは、俺にふさわしい女だろ?」
その言葉に聞き覚えのある私はなんてこと先程はいってしまったんだ!
と忘却の呪文を唱えようかと思ったが、ため息しか出てこなかった。
『フフッ ローから女性をとりあげるのにはちょうどいいわ。』
「ククッ アカリほど綺麗な女がいて他の女が目に入るか。同じようなこと言わせんな。」
『フフッ 同感よ。私は綺麗だから』
私がそういうと、ローは満足げにお酒をこくりと流し込んだ。