死の魔女と死の外科医
□tidy up
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とある気持ちの良い朝。
夏島と呼ばれる常夏の島を双眼鏡でとらえたらしく、その島に近づくにつれ、天候はからっと夏らしい晴れ空が広がった。
朝はすっきりさわやかな空気が窓から入り込み、日中になるとかなり暑いが、気分をよくさせる気候だった。
『掃除をしましょう。』
「「「「「「「「「「「「「へ?」」」」」」」」」」」」」
『こんな気持ちのいい日は掃除するにきまってるでしょう?』
いつもより少しテンションの高いアカリに対し、船員はぐったりしていた。
ずっと曇りの多いイギリス地方に住んでいた彼女にとって、この晴天はかなり気分的に気持ちの良いものであり、
彼女を闇から出してくれるような気がした。
しかし、北の海出身の彼らにとってこの暑さは我慢ならないものであって、もう動きたくないと、ぐったりしていた。
『はぁ…いいわ。私が勝手に掃除してまわるわよ。せめて私に見られて困るようなものは隠してね。』
アカリに見られてまずいもの=卑猥なもの
「「「「「「「「「しまってきます!!!!!」」」」」」」」」
男の子だなぁと、魔法学校にいたころの男友達を思い出すと苦笑した。
『ローはこの暑さ平気なの?』
とバタバタ隠す船員を横目に本を読んでいた彼に問いかけた。
「暑ぃから本読んでんだろ…」
いつもより声が弱っているローにアカリの胸はまた早くなり始めた。
『気を紛らわすってことね。』
アカリはローらしいとつぶやくと、そろそろ片付いたであろう船員の部屋へと向かおうとした。
「おい、アカリ。」
『ん?』
「あまり無理すんなよ。ほら、これ舐めてからいけ。俺が作った塩分タブレットだ。」
熱中症になられたら困る。
そんな彼の優しさにまたひとつ気持ちがあふれた。