死の魔女と死の外科医

□lesson
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私もローも、朝ごはんを食べるという習慣はなく、二人ともコーヒーのみで朝ごはんを済ませた。

朝は胃が重い…

私はともかく、医者であるローが朝ごはんを抜くなんてどうかと思う。


「なら医者としてアカリも朝ごはん食べr『なんでもないです。』

とうまいことかわされた。



「おーい、アカリ、鍛錬付き合ってくれよ。」


ご飯ではない朝ごはんをちょうど終えた私のとこにきたシャチ。
目をきらきらさせながらローと逆側の席に座り、鼻息荒く頼んできた。


『鍛錬ってどんな?』


「お前の実力知りたいってみんなが言うから俺と実践勝負しようぜ!!」



あぁ、そういうことか…

確かに魔法を使う様子を見せたが、実際私がどのように戦うのか知らないし、実力も知らないのだ。

向こうの世界では名が知れ渡っていたので、私に手合わせを願うものなんていなかったので新鮮だ。


ちらっとローを見るとにやりといつもの口元だけの笑みを浮かべた。



「俺も観戦してるから、行ってこい。」



ローが言うのならいいか。

『わかったわ。』

「おお!サンキュ!アカリ!!
甲板で待ってるからなーーー!!」

シャチはスキップしながら、嬉しそうに食堂から去って行った。




『ロー、私って彼らの中でどういう存在なのかしら?』




「仲間として認めた以上、お前はあいつらのの家族のような存在だろう。
そんなお前の実力知りたいだけだ。」

『じゃあ、あなたにとっては?』

私はやはりスリザリンだ。
この期に乗じて、ローの気持ちまで聞こうとする狡猾なやつだ。

「アカリは俺のクルーだ。

俺から離れることは許さない。

俺から逃げることも許さない。

俺の許可なしでこの船から降りることも許さない。



アカリは俺の大切な女だ。」




さらっと答えるローに、自分の狡猾さを初めて褒めたかった。
彼の告白ともとらえられる言葉を、当たり前かのように感じている自分がいる。私には彼が必要で、彼には私が必要なのだ。

誰がなんと言おうと。

アカリは、いつものように笑みを浮かべてローに向き合った。




『私はあなたにとって

必要な存在になってあげる。



だから離さないでね。』





もうあの闇に入れないで…



と微笑むと当たり前だろとおでこにキスを落とされた。





まじないだ、とだけ笑う彼に胸を高鳴らせるとシャチが待ってるとその場を去った。






「早く俺だけのモンになれよ、アカリ…」





という彼のつぶやきは彼女に届くことはなかった。
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