死の魔女と死の外科医
□he is hot
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あのあとどんちゃん騒ぎになり、朝っぱらからアカリいらっしゃいの宴になった。
ロー曰くいつも何かと理由をつけて宴を開くらしい。
だがしかし、私の今の位置。
ローの長い脚の間に座らされていた。
アカリを後ろから抱き抱えるように、ローが陣取ってきたので、最初はそれはもう抵抗した。
『やめっ、』
「お前に拒否権はない。」
『横暴な男は嫌われるわよ?』
「今まで嫌われたことはない」
あまりにも堂々と言ってしまうものだから、抵抗を緩めた瞬間に完全にホールドされてしまった。
『けど、暖かくて心地よいわ。』
後ろから抱きしめられていた私は誰に話すこともなくぽつりと呟いたが、ローには聞こえていた。
「そりゃあ、俺が抱き着いてるんだからあったけぇに決まってんだろ?」
『違うの。ここが、あったかいの…』
「ククッ そうか。」
『ありがとう、ロー』
と幸せそうに胸のあたりを押さえながら微笑む彼女にローも微笑み返した。
「「「「「「「「「「(かわいすぎるだろ////)」」」」」」」」」」
とその様子を見ていたクルーが悶絶したのはアカリにはわからない話。
「ほ、ほらアカリも飲めよ!」
とシャチが私のグラスにお酒をこれでもかというほど注いだ。
『ありがとう。』
アカリはこくんと一口飲むと久々のお酒にきゅぅっと胃が縮こまった気がした。
しかもなかなか度が強いらしい。
甘いと言うより、アルコールというような味がした。
「お前はこういうの大丈夫なのか?」
『?…お酒はあまり得意じゃないけど飲める。』
アカリはそういってまた一口お酒を含んだ。
「違ぇよ…こうやって抱き着かれるのは平気なのかって聞いてんだよ。」
その質問にアカリは固まった。
そうだ、苦手なはずなんだ。
‘彼女’以外・・・彼女以来誰とも関わろうともせず、触れようとものなら仲間だろうがなんだろうが威嚇してきた。
抵抗した時に、弾き飛ばす位のことはできたはず。
他人に触られることは極端に嫌がる私が気を緩めるなんて.............
『ローなら平気みたい。』
「お前襲うぞ?」
『え?』
かなり天然な彼女。