死の魔女と死の外科医
□c u soon
1ページ/4ページ
一夜明けるとアカリは麦わらの海賊団全員に見送りを受けていた。
姿くらましで一瞬で消えてしまうため、次会えるのはいつか分からないうえに次会うときは敵かもしれない。
そう思うと悲しくなってくるが、もともとナミを送り届けるためだけに来ただけだ。
「またこいな!」
そういってニシシと笑うルフィーにつられて私も笑った。
太陽みたいに笑う彼に涙が流れませんように
私が願うのはそのことだけ
『ええ、また来るわ。だから死なないでね』
「もちろんだ!」
『じゃあ、新世界で会いましょう』
アカリはそれだけ言うと愛しい人のもとへ一瞬にして消えた。
アカリが消えた麦わら海賊団はすこし寂寥感があったが、また次の島へと向かっていった
ばちんっ
アカリが船をつけている海岸沿いに現れると、そこには誰もおらず、しーんと静まり返っている。
一瞬間違えたかと思ったが、約束の島であり、遠くを見ると人がたくさん見えている
船番をつけずに全員が出払うことなんてまずないはずなのだが…
『嫌な予感がするわ』
アカリは船から降りると騒ぐ繁華街へと足を運んで行った
森を抜けて大通りへ出ると、道行く人々が私を見るなり少し気持ち悪いなめまわすような視線を感じ、足をとめて周りを見渡した
何かが違うのだ。
今まで連れてきてくれた島とは違う雰囲気。
ここの男たちの目線もだが違う気配がある
忘れかけている気配
『少しお伺いするけど、ハートの海賊団がここに来てないかしら?』
「おい、お前の番号は?」
番号?
『何の番号かは知らないけれど、私に番号はないわ』
「くくく、ならまだか。上玉がまだ残っていたなんてなぁ
逃げ出したのか?」
『どういうことよ?』
いつの間にか島の人たちに囲まれていて、そこにはハートの海賊団の顔は全く見当たらなかった。