二次創作

□酩酊
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舞台はベッドの上

もう何度目かの絶頂を迎え、そしてやっと呼吸を整える。

「…もう、今日は疲れた」

そう先に音を上げたのは

「一騎」

組み敷いたままの恋人を見下ろせば帰ってくるのは冷たい視線。


「寝る。何回…シたと思ってるんだよ」

しかし、そんな蔑むような視線で睨まれても総士が感じるのはそこから放たれる
色香のみ。
たった今言われたことの意味すらも介さないかのように総士は行為をさらに続けようと
する。

一騎の色づいた肌の、香る甘露と熟れた果実がまだ先へと誘う。

「だから、イヤだって…」

その未だ熱を持つ身体から、取り残されるかのように己が引き抜かれる感触を味わう。
そしてもうたくさんだと逃げるように背を向ける一騎。

しかし刹那
総士はかすかな石鹸と、甘い体臭を放つ首筋に噛みついた。
主の意志に逆らい、敏感になっている一騎の身体はびくりと反応する。

その隙に、再度身体を捕らえた。

まるで蜘蛛の巣に掛かった蝶のようだと思う。


「お前の身体はそうは言っていない」


そう答えながら人指し指を深いところへ進めれば、抗う術を持たない一騎は容易
に軍門に下る。

「…っ」

一度生じられ、上昇させられた熱は簡単には収まりもせず、そんな一騎を意のままにするのは、
常に一騎がその状態であることを望んでいる総士にとっては容易いこと。
びくびくと僅かに動く背を押さえ俯せにさせ、
背後から挿入した二本の指を動かし、放った己の欲望の名残を掻き出す。
指の動きと、内股を総士と己の体液が伝うだけで、疲れを訴えていた筈の一騎の
身体は反応を返す。

「…ん…うっ」


空いた片方の腕で胸の果実を愛撫し、
背中と首筋に更に吸い付けば、
見る見るうちに従順になる。

再び悦楽の海へと身を深く沈め始めた一騎は、
総士が抱きしめる腕を緩めてももう抵抗することは無い。
それをを確かめてから、
総士は一騎の中と外を往復していた指をそろりと離し、静かにベッドの脇に腕を
伸ばした。

膝を立たせ双丘を高くさせると、そっと取り出した小さな瓶の蓋を開け、
中の液体を体内に注いだ。

「ああぅ・・・っ!?」

慣れない感触とその冷たさに反射的に一騎が体勢を変えようとするが
総士はそれを許さず、恋人に覆いかぶさるように押さえつけ、獣の姿勢を維持させる。

「おま…えっ、何入れた…っ」

突然、自分の体に見知らぬ液体を流しこまれ、
更にそれが自分の知らないものであったために、一騎は混乱した。

秘処からは飲みきれなかった琥珀色の液体が滴り、太腿を伝い、脳までとろけるような重厚な
香りがつんと漂ってくる。
最初は冷たいと感じたその液体が、段々粘膜を焼く様に熱を伴っていく感触。
更に上昇する体温、肌に触れる空気との温度差、
肌に擦れるシーツ、長い髪の毛。
それを感じるに従って、更に敏感になる己の身体。
もどかしくて仕方が無い。
そこへ、総士が再び指を進入させた。
ぐちぐちと指を動かせば、更に奥へと熱が伝わっていく。

「ああああっ・・・!!」

堪らない、
もどかしい、この快感が。

「家にあった、父のブランデーだ。美味いか?」

と、秘所を慣らした指を引き出し、
液体の絡んだそれを一騎の口元へと持って行き、
唇を開かせ舐めさせる。
もう一騎は総士を拒むことすら忘れただ、貪欲に求めるようになった。

全身を桜色に染めて、与えられる些細な刺激にも敏感に感じ入る。
恥じらいながら総士を、求める。

「責任・・・取れよ」

首元に抱きついて憎まれ口のように台詞を言えば、

「勿論」
と、憎たらしい恋人が、己の唇を食んで、
極上の微笑を向けたのが見えた。



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