夢想話
□小獣的呂布軍
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雨上がりのお外は空気が清んで気持ち良いですな♪
地面はべちゃべちゃで遊べないですけど…。
「用意出来ましたよ張遼殿。この上で寝て下さい」
『有り難うございます陳宮殿』
木の小さいお庭に敷物をひき、私の寝る場所を作ってくれた陳宮殿。
これでお魚濡れずに寝れますな♪
「おぉ〜い先生ぇ〜!!」
ドスンドスンドスンドスン!
おとと。揺れが凄いです。
この足音は…あの大きい人ですかね?
「おや孟獲殿。どうかしました?」
「朝から母ちゃんの象が元気無くてよ。診てやってくんねぇか?」
「分かりました。少々お待ちを」
そう言い、急ぎ家に入って行く陳宮殿。
実はお仕事が我々のお医者さんで、よくこうして依頼されたりするのです。
「では後は頼みましたぞ」
「分かりやした。気をつけて下せぇ」
『行ってらっしゃいです陳宮様』
『ご武運を…』
象に乗り、木の中に消えて行く陳宮殿。
上手くいくと良いですな…。
「さてと…俺も仕事すっかな。嬢ちゃんは外で遊ぶか?」
『はい♪ちょうちょさんと遊びます』
「そうか遊びてぇか。
あんま遠く行くんじゃねぇぞ」
『みゅっ♪』
貂蝉殿を降ろし、戸を開けたまま家に入って行く高順殿。
私達が好きな時に帰れるようにと、いつもこうしてくれるのです。
『張遼様はお昼ねですか?』
幼い足取りで近づき、私へ声をかける貂蝉殿。
手で敷物をいじるところを見ると…見たの初めてなんですかね。
『今日は久しぶりに良い天気ですからね。
…良かったら貂蝉殿も一緒に寝ます?』
『良いんですか?』
『構いませんよ。
尻尾もご自由にどうぞ』
『ありがとです張遼様♪おじゃまします』
よちよちと敷物の上を歩いて近づく姿に…何だか胸がくすぐったくなりますな//
『お久しぶりですね。お外でお昼ね♪』
私の隣に同じように伏せ、少しだけ肩に頭を預ける貂蝉殿。
…信頼されてるんですかね//
貂蝉殿はいつもこうして寄り添って来てくれて…その度に、私はとてもふんわりした気持ちになるんです。
『お日様あったかいです…』
気持ち良さそうに目を閉じ、肩に小さくすりついて…。
私の毛はふわふわして大好きなのだと、いつだか眠そうに言ってましたな。
『尻尾使います?』
『…このままが良いです…』
暖かい日差しにうとうとしだし、小さな尻尾の先をピコピコと動かす貂蝉殿。
その先端が私の尻尾に触れると、そっとくっついたまま動かなくなりました。
余程私を気に入ってくれてるんですかね…
嬉しくて尻尾動いちゃいそうです♪
なんて思っていたら…
『遊び行くぞ貂蝉!』
『みゃうっ!?』
…やはり今日も来ましたか。
『邪魔しないでいただけますか呂布殿。
貂蝉殿は今から私とお昼寝するんです』
『いつも寝てるくせに何を言う。
晴れた時は遊んだ方が良いんだ。今なら陳宮も居ないしな♪
いっぱい遊ぶぞ貂蝉』
『やぁん/// くすぐったいです奉先様ぁ』
頬を舐められ、くすぐったそうに身をよじる貂蝉殿。
何と言うか……
とても可愛いです///
じゃない。
『貂蝉殿が嫌がってますぞ』
『毛づくろいだから我慢しろ。暴れると噛むぞ♪』
『!…痛いのやです…』
『!!///』『!?////』
噛むと言われた途端、瞳を潤ませて小さく震える貂蝉殿。
恐いのと痛いのが苦手らしいですが…
へたりと寝た耳がとても愛らしいです///
『大丈夫ですよ貂蝉殿。呂布殿は冗談で言っただけで…ですよね?』
『そっそうだぞ貂蝉///
大好きなお前を俺が傷つける筈無いのだ』
『…噛まないですか?』
『おう。舐めてちゅーするだけだ♪』
それもどうなんですかね。
それでも、安心して笑顔が戻る貂蝉殿に
『…いざとなったら私が守ってあげます』
耳元で小さく囁くと、驚いたように私を見つめ
『…ありがとうございます』
とても可愛らしい笑顔をくれたのでした。
それだけで
何故私の胸は自然と高鳴るのでしょうかね?