夢想話
□イタズラかお菓子か?
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「じゃカバン置いたらすぐ来いよな。貂蝉と待ってるぞ」
「分かってますよ。それじゃ又後で」
分かれ道で挨拶をかわし、それぞれ家路へ急ぐ二つの影。
「ただいま〜。兄ちゃん帰ったぞ貂せーん」
「おかえりなさいお兄ちゃん」
「おぉ!貂蝉パンダなのだ」
玄関で靴を脱いでいると、パンダに仮装した可愛い妹が出迎えてくれて
「可愛いぞ貂蝉♪よし、ちゅうしてやる」
「やぁ///お兄ちゃんくすぐったいぃ」
呂布は貂蝉をギュッと抱きしめながら、柔らかいほっぺたに自分の頬をすり寄せた。
そこへ
「そんな所で何やってるんですか。帰ったらまずうがいと手洗いでしょう」
「あ、お母さんただいまなのだ♪」
苦笑しながら現れる母親。呂布の癖のある髪を撫で
「お帰りなさい。もう用意できてるから、早く洗ってらっしゃい」
「は〜い」
優しく促すと、散らばった呂布の靴をきちんと揃え
「貂蝉はもう少し待っててね。お兄ちゃんの用意もするから」
「はぁい」
小さな手を取り、居間へと戻って行った。
数十分後
ピンポ〜ン
「きっと張遼なのだ」
「チョウがいらっしゃいしてきます」
鳴らされたチャイムに駆けていき、ドアを開けた途端
「きゃ〜!」
「貂蝉!?」
聞こえた声に、呂布が慌てて玄関に向かうと…
「あ、お待たせしました呂布さん。お邪魔します」
「りょうお兄ちゃんキツネさんです♪」
嬉しそうに張遼へ抱きつく妹に、ギュムッと眉間に力が入る。
「…お前普段キツネって言われるの嫌がってなかったか?」
「呂布さんにからかわれるのが嫌なんですよ。
貂蝉ちゃんはこのほうが喜んでくれるかなって思いまして…」
「りょうお兄ちゃん、しっぽさわっていい?」
「良いですよ。取れないように気をつけて下さいね」
ふわふわな尻尾を嬉しそうに撫でる姿に、張遼の表情がとても優しいものになると
それを見る呂布の眉間の皺は、より一層深くなっていった。
「いらっしゃい張遼君。良く似合ってますよ」
「有り難うございます//
あ、母がこれを渡すようにって…」
「あ、有り難う張遼君。
いらっしゃい貂蝉。奉先も手を出して」
張遼から布袋を受け取り、貂蝉達を呼ぶ母親。
「なぁにおかあさん?」
「それ何入ってるのだ?」
「良い物ですよ。二人共ちょっと目を閉じて」
言われるまま素直に目を閉じる二人の手を取り、母親はふわりと暖かい物で包み込んだ。
「もう開けて良いですよ」
「ん…わっ!チョウのおててパンダさんです///」
「オレも狼の手なのだ♪」
目を開けた二人の手は、大きな肉球付きの手袋をしていて
「靴はこれを履いてね」
次に取り出された物を見て、呂布達は更に目を輝かせた。