夢想話
□張遼家の休日
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柔らかな陽射しが、優しくベッドを包むある日の朝。
眩しさにゆっくり眼を開け、気だるい身体を起こす貂蝉。
「……もう起きられたんでしょうか…」
呟き、ベッドを出ると眠い眼を擦りながら部屋を出る。
階段をゆっくり降りて向かった台所。
そこに見馴れた背中を見つけ声をかけた。
「おはようございます…文遠さま//」
「!貂蝉ど…ではなくて……
おはようございます…貂蝉//」
柔らかな笑みで迎えられ、貂蝉の頬がほんのり染まる。
「丁度起こしに行こうと思ってたんですよ。ご飯一緒に食べましょ」
優しく笑い、テーブルの上に手際良く皿を並べていく張遼。
「起こして下されば、私がご飯作りましたのに…」
「休みの日くらい、貴女にはゆっくり眠ってもらいたいんです。
…それに昨夜はお世話になりましたからね。ほんのお返しですよ」
「妻なんだからあれくらい当然ですよ……又いつでも言って下さいね」
「はい…有り難うございます」
ほんわりと暖かい空気の中、2人は少し遅めの朝食を食べ始めた。
「どうぞ。熱いから気をつけて下さいね」
「有り難うございます」
食事が済んだ後、貂蝉はココアを2つ煎れ、1つを張遼に手渡し椅子に座る。
暖かいココアを飲みながら
「今日はこの後何かする事ありますか?洗濯とか掃除とか…」
不意に張遼が聞いてくる。
「いいえ、特に……お買い物に行くくらいですかね」
「では良かったらこの後どこか出掛けませんか?その…2人で一緒に…」
自分の顔を伺いながら話す夫に、貂蝉は柔らかく微笑み
「…久しぶりのデートですね」
嬉しそうに呟いた。