夢想話
□呂布家の日常
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トントントントン…
包丁の音が軽やかに鳴る台所。
クツクツと音をたてる鍋からは、食欲をそそる良い匂い。
切った玉ねぎを鍋に入れ、火を小さくして煮込みにかかる。
「これで完了ですね。
…後10分くらいでしょうか…」
時計を眺め時間を確認する。
その時
ブオン!
ブオン!
ブゥオ〜〜ン…。
外から聞こえる聞き慣れたエンジン音。
「あ♪帰って来ました」
パタパタとスリッパを鳴らし玄関に向かえば、丁度鳴らされるチャイムの音。
戸を開けると
「ただいま貂蝉vV
寂しかったか?」
言いながらギュッと抱きしめられる。
貂蝉はクスクス笑い
「お帰りなさいませ。奉先様」
にっこりと微笑み、愛しい人を出迎えた。
鞄を受け取り部屋に向かう二人。
呂布の着替えを手伝いながら話しをする。
「今日は早かったですね」
「あぁ。陳宮の奴が仕事が終わったらすぐ帰って良いと言ってな。頑張って来た♪偉いだろ?」
にぱっと子供のように笑う呂布。
その様子に、貂蝉は又クスクス笑い
「良く頑張りましたね」
そっと頭に手を添え、優しく撫でる。
すると呂布の顔がにへ〜っと嬉しそうに緩み
キュッ
甘えるように抱きつく。
「クスッ…
今日も1日、お疲れ様でした」
優しく言い、大きな身体をそっと抱きしめる。
その時
ピュイ〜〜ッ
突如鳴りだす笛のような音。
「いけないお鍋が!
先に行ってますね」
そう言うと貂蝉は急ぎ台所に向かう。
「…クソ……邪魔が入ったか…」
む〜と唸りながら着替えを済ませ、呂布も貂蝉の後を追った。