創作無双話
□変わらぬもの
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トタトタトタトタ…
ダダダダダダッ…
テテテテテテテ…
ズダダダダダ!
白い尾をなびかせて、軽やかに走る影。
それを追う、紅と蒼。二つの人影。
………ヒョイッ
「!呂布殿こっちです!!」
「居たか!?」
「はい!今上に行きました」
「上…って屋根か!?早く連れ戻さんと!」
「あっちょっ!?危ないですよ!!梯子を使わないと」
「そんな暇無い!今すぐ登る!」
呂布達が言いあっていると
ヒョコッ
白くピンとした耳が屋根から顔を出す。
『…うにゃ?』
「うおっと、そこに居たか!…良い子だから降りて来い。そこは危ないぞ」
「何もしないから降りて来て下さい」
『………みゅ?』
「ほら、俺の方に来い。抱っこしてやるぞ」
「降りて来たら美味しいご飯もあげますよ」
『み?……にゃう〜♪』
「わ!?ちょっ待っ!張遼梯子だ!!」
「近くに無いです!!」
ピョーン…
「「わーーーーーーΣ!!!?」」
ガシッ!
ドス〜ン…
屋根から飛び降りた白い影。
その身体を呂布はしっかり受け止め、背中から後ろに倒れた。
「大丈夫ですか!?」
「…あぁ……
まさかいきなり飛ぶとはな…ι」
「仕方ないですよ。我々では行動が読めませんから…」
「……そうだな…」
呟き、腕の中を見ると
『ふに〜』
スリスリ♪
白い尾をピンと立て、呂布の頬にすり寄って来る。
「うわっ…こら、くすぐったいぞ//」
「…自分を助けてくれたんだって解ったんですよ、きっと」
「そうか……
怪我は無いか?
貂蝉……」
『にゃ〜♪』
腕の中の、白い耳と尾を持つ影。
貂蝉が
元気に鳴いた。