おおふり
□二重人格
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試合はあっという間に終わり、見事に西浦が勝つことが出来た。
「お疲れさま。今日は途中で変わったけど勝てて良かったよ。このあとは反省会をするよ。」
『はい!』
「三橋くんは片づけをしなくていいからゆっくり視聴覚室に行ってていいわ。」
「は、はい。」
「三橋、大丈夫なのか?」
「だ、大丈夫だよ。巣山くん。」
「そうか。気をつけて行けよ。」
「うん。」
三橋はふと自分に呟いた。
「廉夜が俺だったらいいのに…」
反省会も特に長引くようではなかったな。
カントクが花井くんを評価していたのが1番聞こえてくる。
でも花井くんは凄いと思うんだ。
ライトも上手いし、ピッチャーとしてもカントクが言ってたように上手だから俺なんかよりも…
「三橋くん?」
「は、はい。」
「ちゃんと聞いてないと怒るわよ。」
「ご、ごめんなさい。」
「まぁ、いいわ。とにかく今日はみんな身体をしっかり休める事!特に三橋くんはダメだからね!あと明日は練習はないから」
『はい!』
「はい。じゃあ解散」
反省会も終わりみんな部室に向かった。
「三橋、足は大丈夫?」
「大丈夫だよ。沖くん」
「なら、良かった。」
やっぱり着替えに時間がかかってしまう。
「は、花井くん」
「なんだ?」
「俺、まだ時間がかかるから鍵しめるよ。」
「え、三橋は足が痛いだろう?」
「お母さんに迎えを頼んだから大丈夫だよ。」
「そうなのか?」
「う、うん。」
「じゃあ、頼む。先生に後で渡しといてくれ。」
「わ、わかった。」
→三橋以外側
「何か三橋、いつもと違ってなかったか?」
「田島も?」
「泉も?」
「おう。何か無理に1人になろうとしてる」
「たしかに。」
「三橋がどうかしたの?」
「水谷」
「確かに、今日の三橋は様子がおかしいよね。だって三橋は迎えを頼んでるはずないしね。」
『え?』
「だって三橋はよく考えれば携帯に触ってないよ。」
『…』
「俺、忘れ物あるから取りに戻ろう。」
「みんなで行こうよ。」
「だな。西広」
みんな気になったのでまた学校に戻った。
部室前に来てみると三橋の様子がおかしかった。
〔ふざけるな!〕
「え?三橋の口調がいつもと違くない?」
『確かに』
そのときにドアにいたため開いてしまった。
『あ!』