おおふり

□二重人格
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俺は中3の時から自分の中に違う人物が居る事を知ってるんだ。


だけど親にも言ってないんだ。

ただでさえ俺は迷惑をかけてるから親にこれ以上迷惑をかけたくなかった。


母さん達が居ない時に鏡をみながら

「ねぇ、廉夜くん」

〔なんだよ。廉。くんはいらないだろう。もう1人の俺なんだから。〕

「そうだけど。」

〔俺とは普通に話せ。みんなと話す時は緊張するから上手く伝えられないんだろう?〕

「うん。」

〔まぁ、いいけどな。今日はどうした?特に変わった事はなかったけど〕

「特にはないよ。ただ怖いだけだから」

〔大丈夫だ。〕

「そうだけど…」

〔ったく。もう今日は寝ようぜ。明日は練習試合だろう?〕

「そうだね。」


―次の日―


「三橋!」

「な、何?田島くん」

「今日は試合だな。」

「そうだね。」

「晴れて良かったな。」

「ゲンミツに勝とうな。」

「う、うん。」

今日の試合の話をしながらグラウンドまで一緒に向かった。

着替える為に部室に入ったら栄口くんや阿部くん、花井くんがいた。

「三橋。おはよう。」

「さ、栄口くん。お、おはよう。」

「三橋も早く着替えな!」

「そ、そうだよね!花井くん。」

「まだ、時間はあるけど三橋に投球について聞きたかっただけだから。」

「き、聞きたい事?」

「ああ。」

急いで着替えてはいるが焦りすぎで脱げてはいなかった。

「三橋!!」

「な、何?阿部くん」

「とりあえず着替える事に集中しろ。」

「ご、ごめんなさい。」

「阿部。そこまでにしろよな。」

「悪い。」



しかし結局花井が三橋に投球の質問は出来なかった。

試合が始まった。


三橋はいつもの通りに投げていた。


途中までは…


途中から様子がおかしくなった。

それに気づいたのは阿部とモモカンだった。

試合はちょうどグラウンド整備の時だった。

「三橋」

「な、何?阿部くん」

「いつもと投げかたが少し違うぞ!」

「あ、う、」

「三橋くん。何か隠してるでしょう?」

「し、してません。」

「本当に?嘘をつくなら握るわよ。」

言いながら三橋の頭に手をおいた。

「言います。え、あの、大丈夫だけど足が少し痛いだけだよ。」

「見せてみろ!」

阿部はそう言って三橋を座らせた。
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