Atonoment wings 短編集

□入浴
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「はあっ!!」

「………………!」


一人の少女────桃色の髪を持った一人の少女の蹴りを一人の少年が受けていた。

二人がいるのは広い芝生が広がる空間で空は青く澄み切っている。


そのまま少女は踏みこみ左の手でフックを打ち込むが簡単に拳に払われる。


「わっ!!?」

少女が身を引こうとした瞬間足を払われ体勢が崩れる。

そして少年の蹴りが叩きこまれる。

「……………勝負ありですね」

「………!!」

少年のあっさりとした勝利宣言に少女は恨めしそうに自分に届く寸前の足を睨みつける。


「………セシルなんかに負けると凄い腹がたつ」

「…………気のせいか凄いこと言われてる気が…」


少女の言葉に少年は思わず苦笑する。


「とにかく今日はここまでです、お疲れ様シャルルさん」

「あー…………………………………お疲れ」


少年────セシルの言葉に少しうつむきながらも返事を返していた。
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