その他

□プロローグ
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「相も変わらず暇?」
「あ?」










青空の下に広がる屋上に一人の学生服の少年が寝転がっている。

赤のツンとした髪は染めているのだろう。耳にはピアスをしており今風という言葉がぴったりだろう。

「黙れ、今は昼休みだろ」


「お昼は食べた?」


返事を穏やかに流してもう一人の男が疑問を投げかける。


「……いんや、まだだ」
「ちょうどいい、一緒に食べない?」


微笑みかける男は赤髪の男と同じ服装だが長い淡い茶色の髪に深い青の瞳という変わった風貌をもっておりその髪も後ろで一本にくくってある。

「構わねえけど、いつものちっこいのは?」

「ちっこいって…………咲耶は普通だよ?」

「…目が笑ってねえぞ…優斗」


柔らかに微笑んではいるが目が極寒の冷気に包まれているため乾いた声しか出ないらしい。

「お前過保護過ぎるぞ」
「まさか、苓弥の想い過ごしだよ」


すでに優斗は苓弥の近くに腰を下ろして風呂敷包みをほどいている。
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