日和
□雪解けの日
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朝の空気はキンと冷えて、元々そんなに体温の高くない私には辛い。澄んだ空気は好きなのに。
ぴちゃん、ぴちゃんと音がする。
やだなぁ、お布団から出たくない。
でも、出ないとなぁ。
はっきり言って布団が冷たい。足を足で擦っても冷たいばっかり。
「松尾布団クラーッシュ…寒ぅ!」
意を決して布団を撥ね除けたけど寒い!
寒すぎてイヤ!毎朝これだ嫌んなっちゃう!
ぴちゃん、ぴちゃん
屋根に積もった雪がとけて氷柱になって、その先から更にとけて
火鉢に火を熾しながら私は彼を待つ。
寒い寒いさむい!
カタカタ震える手じゃなかなか炭を熾すのはなかなか骨だ。
ドサッと言う音を聞いて庭に目をやる。
梅の木から落ちた雪が地面に山を作っている。
雪はあまりサラサラしていない。
「暖かくなってきたんだねぇ」
立春も近い。まぁまだまだ寒いけど。
そろそろ雪の下で蕗の薹が出るだろうか。