日和

□王子様は夢の中
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「竹中さん、竹中さ〜ん!」
「やぁ、太子」
池の中から竹中さんが顔を出す。
髪の毛も鱗もキラキラしてて凄く綺麗。あれ、これきっと私の目がキラキラしてるからだ。
いや、竹中さんは綺麗なんだよ実際。でも今日の私もキラキラでおま!
「上機嫌だね、太子」
「そりゃあ上機嫌も上機嫌でおまっ!聞いてくりゃれぃ!」

あのね、竹中さん。今日の行き道にワンちゃんを拾ったんだ。
真っ白でちっちゃくてふわふわで、お手って言ってもお手しなかった。
でも私の手を舐めてくれたんだ。まだ赤ちゃんだからかな。
とにかく可愛くて可愛くて、私、ワンちゃんにケルベロスって名前つけて連れて帰ったんだよ。
そしたら妹子が飼えないなら拾うなって凄い剣幕で怒るんだよ。
酷いもこだろ!!
でもゴーレム吉田さんがね、飼ってくれるんだってさ!やったね!
吉田さんちの犬小屋、マッチョファイターさんのとおそろいでさ、だからきっとケルベロスも喜ぶと思うし。
それに家が近いからいつでもケルベロスと遊べるんだよ、私。
竹中さんも今度一緒に遊びに行こうよ。

そうだ、妹子の家でケルベロスと四つ葉のクローバー探そうよ。
妹子なんてきっとケルベロスの可愛さにデロデロになって泣きながら「あぁ食べちゃいたいイモ〜」とか言って全裸にとろけるチーズまみれで沼に飛び込んじゃうよ!妹子の変態!

それでね、竹中さん、あのね…
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