□ギターと貴方と居る時間
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「佐伯クーン!」
「や、やあ。
どうしたの?」
今日も女子の取り巻きに内心呆れつつ、爽やかな笑顔で接する、瑛。
そして、そんな瑛を陰ながら、何故か応援する桜子。
そんな二人だが、実はこれでもカップルなのである。
学校では、秘密にしているのだが。
まあ、秘密にせねば・・・瑛も桜子も
面倒なことになると、言うまでも無い。
「はあ・・・なんか、学校であまり居られないのって寂しいなあ」
机に顔をつけて、そう溜息をつく桜子に、後ろから声が掛かる。
「早川さん」
「あれ、若ちゃん?
何ですか?」
思わず、桜子は跳ね起きる。
「ちょっと、授業の手伝いをお願いしてもいいですか?」
「え?あ、はい」
「助かります、ありがとう」
そして化学準備室へと、二人は向かった。