†地下室の本棚†
□執事調教(シエセバ+バルセバ)
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ある日の昼下がり、屋敷の主であるシエルは、執事のセバスチャンに小さく耳打ちした。
「今からパフェが食べたい。すぐに作れ」
「駄目です。坊ちゃん、夕食残すでしょう?」
「いいから作れ!!」
「いけません」
「甘い物食べないと仕事がはかどらない!!」
「我が儘は通用しませんよ?」
う゛〜!!
シエルの低く唸る声が聞こえてきたが、そこは軽く無視して、セバスチャンは踵を返した。
しかしその刹那、
「全く…、契約された間柄と言うのに、お前は言う事を聞かないつもりなのか?」
シエルの半ば高揚した声が聞こえた。
「それとこれとは話が別です」
それに淡々と答えるセバスチャン。背の低いシエルを見下して微笑んだ。
「…僕の言う事は何でも聞かなきゃ駄目なんだ!!そう言う決まりだろ?」
シエルも負けじと、セバスチャンを思いきり睨み付けて言い放つ。
「僕がお前を調教してやる!!僕の言う事をちゃんと聞くようにな!!」
「調教…?クス、何処でそんな言葉覚えてくるんです?」
卑下た笑みを浮かべたセバスチャン。
だがこれが、ただのシエルからの挑発ではなかったのを、後になって思い知らされる事になろうとは、この時のセバスチャンは考えもしていなかった。