†本棚†

□闇夜に声を聞いたなら…(シエセバ)
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「失礼します、坊ちゃん」

そう言って何時もの様に奴は部屋に入ってきた。
「ホットミルクをお持ちしました」

今夜は冷えますから…と言いながら、僕にミルクを手渡す。

「…セバスチャン、いい所に来たな」

僕はそのミルクを一口飲んでカップを置いた。

「どうしました?坊ちゃん」

セバスチャンは眉をひそめて呟いた。

「今日は本当に寒い。だからな、お前が僕を温めるんだ」

僕は口角をつり上げ、ニヤリと笑った。
奴の困った様な不愉快そうな顔を拝みたくて…

だけど…、

「イエス、マイロード」

セバスチャンは顔色一つ変えずに淡々と承諾する。あぁ、つまらない!!
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