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□愛し君へ
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「おわった〜!!!!!」
あれから3時間後、なんとかあの問題集をやりとげることができた。綱吉君はあまりの頭への疲労のためか、その場でバタリと倒れたキリである。
僕は寝転がる綱吉君を上から見つめクフクフと笑い、勉強道具の片づけをした。
「よかったですね、きちんと終わって。」
僕はそういいながら、彼の持っている参考書をひとまとめにして机の端に置いた。
綱吉君はクッションを抱きしめたまま、リラックスモードに入っていた。
「うん。もーほんと、できなかったら、どうなることかって思ったよ。」
はーっと息をつきながら、綱吉君はそう言うと、ころり、と回転して僕の膝もとにやってきた。
「せんせ、ほんとにありがとう」
トロンとした眼で(あまりにも長い間問題集とにらめっこしていたから眼が疲れたのだろう)綱吉君がそう言う。
僕の膝にポンと置かれた彼の温かい手が僕の情欲を知らず知らずに誘いだす。
「…ッ、つなよしくんっ」
僕は赤面しながら、彼の頭をおそるおそる撫でてみると、綱吉君はくすぐったそうに眼を閉じた。
(…これはいけるんじゃないですか)
何がだ。というつっこみは置いといて。
僕は本気だった。
今のこの流れだったら、綱吉君とアハンな事(何だ、それは)ができるんじゃないだろうか。
むしろ、今じゃなかったらいつできるんだ!
僕はゴクリと唾を飲み込んで、そっと決心をする。
(今日こそ、僕は綱吉君と×××をする…!)
「……、綱吉君。では…ごほうびいただけますか?」
僕はそっと彼の目元から頬にかけてなでる。綱吉君は意味が分かっていないようで、目を大きくさせて僕の顔を見つめた。
「……ごほうび?先生ごほうび欲しいの?」
小さい声でそういった綱吉君の顔は純粋無垢でそれを汚そうとする僕はどれほど醜いのだろうかなんて考えてしまうけど、やっぱり人は自分の欲に勝てないのだ。
つまりは、僕はこの汚れのない綱吉君を汚したいのだ。
「はい。綱吉君が欲しいです」
そう言って、僕は体を傾けて寝そべる綱吉君の口にキスをした。
ふにっと当たる唇の感触を感じながら僕は指に彼の柔らかい髪を絡めた。
啄ばむようにしてやわらかく彼の唇を唇ではさむと綱吉君は体をびくんと揺らした。
「…ぷはっ……せんせぇ?」
綱吉君は顔をこれまでにないくらい真っ赤にさせて、瞳を不安と疑問に揺らしながら僕をみつめる。
僕も、彼の唇の柔らかさと真赤になった顔の愛らしさに固まってしまい、二人して沈黙のまま見つめ合うことになる。
しばらく、そのまま気まずい時を過ごすと、綱吉君はゆっくりと口を開いた。
「……どうして、キスしたの?」
「好きだから、です」
反射的に口をついて出てくる言葉。
無意識に出てくる言葉をそのまま声にのせて、綱吉君に届ける。
「好きなんです、ずっと前から。君が、好きです」
なんというボキャブラリーの少なさ。
普段の流暢な言葉なんてもう出てきやしない。それでもいいと思ってるけど。
だって伝えたいことなんてこんなに単純なのだから。
「だから、君を僕にください」
おそらく一世一代の告白。
瞬間、この空間に音がなくなる。僕はあまりの緊張でごくんと唾を飲み込む。
すると、綱吉君はばっと顔を彼の細い腕で隠した。
そして、本当に小さな声で「…俺でよかったら…」と言った。
◇
「ひゃう……っ、せんせっ、そこばっか…や…!」
綱吉君は身をよじって、僕の手を逃れようとする。だが僕が彼の細い腰をぐっと掴んでいるので、彼が身をよじったところで僕から逃れるわけはないのだ。
だから僕はそのまま彼の感じるところを触りつづける。
「気持ちいいですか?」
綱吉君の陰茎のさきっぽをごしごしとすり上げてやると、とろとろとカウパーが零れおちてくる。
その半透明な液体が僕の手を濡らしていき、妙な光沢を放つ。
「んぁ…っ!きもちすぎて…っ、へんになっちゃぁあッ」
綱吉君は顔を手でかくしてそう言う。
僕はその手をそっとどかして彼の真赤な顔を見つめる。
「やらぁ……みないでぇ、へんな顔して…から」
「可愛いですよ。誰より、君が一番」
僕はそう言ってから、自身の滾るモノを採りだして綱吉君に見せた。
「君がかわいすぎて、こんなになってしまいました」
赤黒い僕の陰茎を目の当たりにして、綱吉君は一瞬身じろぐ。だけどすぐにふわっと笑った。
僕はその笑顔に理性を完全に失い、僕のモノを綱吉君の陰茎に擦り合わせ始めた。
「はぅ……!あつっ……ぁあああっ」
ごしゅごしゅっと二人のモノを同時に扱きあげる。とろとろと二人の先端からはカウパーがあふれ出てきて、ぬるぬると滑るのだが、それがなおさら快感をさそった。
「はぁんッ……ぁ、あッ!せんせぇ、でちゃうぅううっ!」
「ぁ、ぁあっ、僕も出そうです。ぁ、綱吉君っ!」
どぴゅどぴゅっ、と激しく弾けた二人の欲望はお互いの体を汚し、白色に染め上げた。
「は…っ、ふ……はぁ…」
荒い息遣いで僕を見つめる綱吉君は意識がぼうっとしているようだ。
瞳がうつろだったからだ。
だが、綱吉君は僕に向ってにっこりと笑った。
「せんせい…」
そう小さく紡ぐ綱吉君の唇に僕はそっとキスを落とす。
そしてゆっくり開かれた扉の隙間から舌を差し込むと柔らかく温かい彼の舌と絡ませる。
くちゅくちゅと中で二人の唾液が混ざる音がする。
唇の端から零れる唾液も気にせず僕たちはお互いを貪った。
そしてゆっくりと唇を離すと、名残惜しそうに細い糸がつつーっと二人をつないだ。
「綱吉君と一緒になりたい」
僕がそう言うと、綱吉君はこくっと頷いた。
◇
「では、入れますよ……?」
綱吉君の蕾にそっと僕自身を宛がいながら彼に尋ねた。
すると綱吉君は顔を真赤にしながら「ぅん」と言った。
僕はふっと微笑みながら、ゆっくりと彼の中に己を入れていく。
ぎちぎちとめり込むように、入って行く様は少しの感動と、綱吉君への憐憫を覚えた。
(いたい、ですよね……)
「んっ……」
顔を少しゆがめながら小さく呻く彼の手にそっと手を重ねた。
「息、ゆっくり吐いてください。そう…ゆっくり深呼吸して」
耳元でそう囁くと綱吉君はへにゃと笑って、「だいじょぶ」と言った。
そしてゆっくりと丁寧に挿入して、ようやって僕らは一つになれた。
「は……すごい…。今、俺のなかに、せんせがいるんだ。」
綱吉君は無邪気な顔でそう言う。
僕はその言葉に救われる。
(君は僕に抱かれても「汚れた」とは思わないんですね。)
僕はぎゅっと綱吉君を抱きしめた。
「ひゃ……!?先生!?」
「むくろ…。先生じゃなくて骸って呼んでください、綱吉」
繋がったままの体勢で、僕はそう言った。
すると綱吉君はそんな僕を見て僕の長い髪の毛にそっと触れた。
「骸、さん…。俺、いってなかったですけど…。骸さんのこと好きです。」
先生が俺のこと好きになるよりずっと前から。
「大好き」
そう言うと、綱吉君は僕の口にちゅとキスをした。
あぁ、愛しい、愛しい君へ。
この感情が余すところなく君に届いてほしいと想った。
「僕も大好きです。」
END
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