present

□betray +
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ギシギシっと激しいスプリング音が鳴ると同時に、激しい息遣いと少し鼻にかかった甘い声が漏れる。ぎゅっと握りしめた小さな彼の手と細い腕は汗ばんでいて、俺はしっとりとしたその感触に酔いしれた。
ただ、自分の欲望を満たすためだけのように、俺は何度も腰を打ちつけた。すると俺の行為の対象はそのたびに、くっと背中を反らして、高く甘い声をあげる。俺はその声を立てる喉に噛みついた。


「んんあッ…!ぃたッ…」
そう小さく声を漏らした彼は急に与えられた痛みという刺激に薄く瞳に涙を浮かべた。

「ツナ…。ツナ…。」
俺は後ろから小さな彼の体を包み込むようにだきしめると、彼は少し不思議そうに首を傾げた。ツナは四つん這いとなって、シーツをぎゅっと掴んで、己の体を支えていたのだけど、俺が上からのしかかってきたのですこし体制を崩していた。

「や、やまもと?おもいよ…」




『重い』…―そうかもしれない。
俺のツナに対する想いは、あまりにも重すぎて、ツナをつぶしてしまうのかもしれない。




俺はツナの匂いを感じながらそんなことを考えていた。そしてツナの体から僅かに香る煙草の臭いを少し嗅ぎ取ると、今日の出来事を思い出した。











「野球バカ、てめー、わかってるんだろうな?」
今日の放課後、いきなり獄寺に呼び出されたと思ったら、開口一番に言われたのはこのことだった。もちろん、俺はきちんと「その内容」は分かっている。
でも、あえてしらばっくれる。
だってそんな親切なことをコイツにしてやる義理もない。

「しらばっくれんじゃねぇよ!十代目のことだ!」



わかってるさ。
お前が俺に話しかけてくることなんてツナのことしかねぇだろ?
俺は心の中で少しだけためいきを吐いてそれから、にっこりと笑顔を浮かべてこう言った。

「ツナがどうしたのな?」
にこにことしてそう言った俺の様子に怒りを爆発させたのか、それとももうすでに怒っていて、ずっと抑えていたのか分からなかったが、獄寺は急に掴みかかってきた。

「お前、十代目になにしてるか分かってんのか?」
ぎゅっと強く胸倉を掴まれたので、少し息が苦しくなる。俺はケホっと咳払いをしてから、獄寺の腕を掴んだ。

「何ってナニだろ?わかってるぜ」
「、ッてんめぇえ!十代目を汚しやがってッッ!!!」
獄寺は俺の発言や様子に怒り心頭になってようで、俺の顔を思いっきり殴り飛ばした。
俺はその拍子に少しよろめくが、俺だって受身をとらないわけがない。
「俺が汚さなくても、誰か汚すんじゃね?…―ほら、雲雀とか、さ。それにお前だってほんとは汚したくてたまんねぇだろ?」
ツナのこと。



俺が口の血を拭いながらそういうと、獄寺はぐっと唇をかみしめた。その様子をみて俺はさらに追い打ちをかける。



「この前なんてさ、俺がツナのち●ぽ触ってるのずーっと黙って見てたろ?ツナのよがる顔とかもう、ガン見だったじゃん。…お前だって俺と一緒だよ。」

俺は勝ち誇った顔でそうつげると、獄寺は予期に反したことを言ってきた。
「俺とてめーはちげぇ!俺は、……俺も、汚い人間だ。それは認める。でも、俺は十代目にてめえの醜い想いをぶつけたりしねえ。お前みたいにな。あの人に、こんな醜い想いぶつけたりしねえよ、俺はッ!」

それだけ言うと、獄寺は俺の顔を再度睨んで、舌うちをして戻って行った。






―分かってる、分かってるさ。


俺がツナに重すぎる感情を押しつけて、それをうけとるように強制してるのくらい。
わかってるんだよ、
うるさいな、わかってるんだよ、


獄寺、お前に言われなくても。





俺はいらつく思いを抑えられずに傍にあった壁を、力の加減せずに叩いた。












「やまもと…?どした?」
ツナはくるっと向きを変えて俺と向かい合わせになった。
そして小さなあの掌で俺の黒い髪の毛を撫でた。

「元気ないね。なんかあった?」
少し心配そうにふわっと笑ったツナは、俺のことを偽りでもなんでもなく思ってくれている。その優しさに涙が出そうになった。

俺はまだ少し痛む手でそっとツナの髪と頬を撫でると、ツナはくすぐったそうに少し目を細めた。その様子をみてまた俺のとめどなく溢れてくるツナへの想いが決壊してしまった。

「ツナ、ごめん。」
俺は小さくそう呟いたあと、ツナをそのまま押し倒し、まだつながったままの自身を抜き差しした。
それはもう、激しく。

「ぇッ?んッあ…」
ばちゅん、ばちゅんっと濡れた水音が部屋の中で響き渡る。もうなんどかツナの中で放ったものが泡立ち、すこしずつ溢れてきていた。
「ぁ、やまも、はげし…」
ツナがちいさくそう言ったのを聞いて俺はツナの呼吸を奪うように、小さく赤い唇にキスした。まるで食べてしまうかのように、深く、深く口づけたソレは一つになれるような錯覚をさせるものであった。

「は、ふッ、あ…、ぁああッ!」
ゴリっとツナの一番感じるところを何度も集中して押しつけていく。するとつなは白い肢体をきゅっと反らせた。そのたびに、彼のもう立ちあがっている、ペニスもぷるんと揺れた。俺はそのペニスを掴んで、ぎちゅぎちゅっと尿道を広げていった。

「ぁ、だめッ!そこ、触っちゃあああ…!」
爪でぐりぐりと先端の穴を広げていくと、ツナはあっけなく達してしまう。その拍子にきつく締めつけられたアナルほうで、俺もドクドクっと欲望を放った。だが、そんなんでおわるほど俺の欲望は小さくなかった。
すぐに回復した、もはやツナにとっては凶器にちかいそれを今度はさらに深く埋め込んでいく。

「ツナの奥気持ちいい…ツナは?ツナは気持ちいい?」
俺はズンズンっと奥をこすり上げるように、硬い欲望をつきいれていくとツナは高い嬌声を上げて、俺の背中爪でひっかいた。
「ぁあんッ、きもちいいッ、いいよぉッ!」
口を半開きのままにして、俺になされるままになっているツナ。


本当に可哀想。


俺なんかに想われて。


こんなに重い鎖のような気持ちに巻き取られて、もう逃れられないツナを可哀想に思いながら、それでも俺はツナの中に欲望を放つことはやめない。

「ぁあッ!!も、またでちゃうぅ…!」

「いっぱい、だせよ。俺もだすからッ」
俺はツナの腫れ上がったピンク色の乳首をぐにぐにっと弄りながら、ツナを快感に追いやった。ツンっと立っている乳首はピンク色で、他のどんな女よりも絶対綺麗だ、なんて思いながらそれにかぷりと噛みつき、ちゅうっと吸い取った。何もでるなんて思っていないけど。

「ぁあッ!取れちゃうっ…!らめぇえっ!」



…―かわいい、かわいいツナ。


愛してるよ。


たとえ、この気持ちが君を苦しめることになろうと。


俺は



この気持ちだけは裏切れないんだ―…









俺はそのままツナの乳首を強く吸ったあと、彼の最奥に己の欲望を突き立て、想いを吐きだした。





END

(たとえ他の何を裏切ってもこの想いだけは裏切らない。)
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