present

□心太
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「ふぁ〜…もうあっついなあ…。今日の気温何度なの?」
俺はまだ春なのにTシャツを着て部屋の中でゴロゴロとしている。すると隣で同じようにゴロゴロとしている骸がけだるそうにこう、答える。

「確か、25度だそうですよー、もう立派な夏日ですよね。」

そんなこといっているが、ぺらぺらと雑誌を見ながらうつぶせになっている骸は汗ひとつかかず涼しそうだ。対して俺は汗がでて、じとっと前髪を湿らせている。

「お前、涼しそうだなぁ。暑いの強いの?」
パタパタと胸元を扇ぎながらそういうと、骸は顔をこちら向け、「イタリアはもっと暑いですからねぇ。」と答えた。

「あー…。こんなに暑い時はところてん食べたくなる。」
ふと俺がそうつぶやくと、骸はピクリと反応した。
「トコロテン?」

「そうところてん。お前知らなかったけ?なんか透明で、麺みたいなやつ。アレ美味しいんだよね。」
俺が笑顔でそういうと、骸はニヤリと妖しく笑った。

「綱吉君、『トコロテン』好きなんですか?」

「え…。まぁ好き、だからこうやって今食べたいって言ってるんだけど。」
俺が戸惑いながらそう言うと、ニヤッと口角を上げて笑った骸が急に起き上がった。
そして、「わかりました。じゃあ、綱吉君に十分トコロテンを堪能させてあげますね。」
といった。


俺は何か嫌な予感がして、ズサっと後ずさりをして骸との距離をとろうとしたら、肩を掴まれ、唇を重ねられた。

「んんッ…ふ…」

にゅるりと入り込んできた骸の温かい舌が俺の口内を掻きまわす。その舌に絡み取られる俺の舌は懸命に骸についていこうと、必死で舌を動かした。そのたびにピチャピチャと暑苦しい水音がたち、俺はその音の卑猥さと、骸の舌は肌の温かさでさらに熱くなった。



「はふッ…。い、いきなりなにすんだよー!」


俺は開口いきなり、骸に怒鳴ったが、彼はそんな俺を見てにやーっと笑うだけだった。
「綱吉君。君に、トコロテンを体感させてあげようと思いましてね」
彼はそう含みのある言葉を言いながら、俺の貧相で軟弱な体をやすやすと持ち上げて、そのままベッドの上に置いた。



「はぁ!?何いってんだよ!っつ…んんんッ!」


俺は骸に文句を言おうと、口を開いたが直ぐに彼の口によってふさがれ、そのまま言葉は発せなくなった。
骸の長い舌が俺の口の中を蹂躙するたび、俺の体はズクンと疼く。俺は体をもぞもぞと動かしてみるが、上に骸が乗っかっているため、思うように体が動かせない。
俺の手は縫いつけられたように、骸によってがっちりとホールドされているために、もうこいつから逃れることなんて不可能だ。
俺は心の中で小さく溜息をついて、骸の舌を受け入れるべく、俺も舌を絡ませた。






* * *







「はふ…はッ、むくろっ」

俺は着ていたTシャツを胸元より上までたくしあげられ、下はズボンも下着も脱がされ、何も纏っていない格好だった。だが、そんな格好をしていても、俺の体はたまらなく熱い。体中のあちこちが熱をもって、感覚だけがやけに敏感になってるようだった。


「綱吉君。さっきからイきっぱなしですよ。もう何度めですか?」


骸は俺の陰茎を扱きながら、そう言った。彼は俺のふとももを大きく広げ、内またをさわりながら、俺の陰茎の先っぽをぐりぐりと弄った。

「やッ、あぅ…!も、むく…でちゃうぅ!」


俺は何度目になるか分からない吐精感を覚え、限界を訴えるが、骸はそんな俺の願いもきかず、俺の陰茎の根元をぎゅっと掌で握りこんだ。

「ぁっ!ぃたい!むくろぉ、いたいってばぁ!」


俺は快感をせりだすところまでせりだされていたのに、そこで急にとめられて、涙目になりながら骸に訴えた。

「クフ。綱吉君ばっかり気持ちよくなっちゃ不公平ですよ?僕のことも気持ちよくしてくださいね。」


そうにこーっと妖しく笑った骸は俺の体をくるりと反転させて、四つん這いにした。

「やっぱり、少し慣らしたほうがいいですかね?」

骸はそう言いながら俺の蕾にすっと手を這わした。


「ひっ!ちょ、むくろ…?」


俺は嫌な予感がして、そろりと後ろを振り返って骸の顔を見てみると、骸はやけに笑顔だった。

「ま、大丈夫ですよね?昨日もしたばっかりですし」
そういうと、骸は俺の蕾を満足に慣らしもせず一気に彼のそそり立つ陰茎で貫いた。



「ッ――――――!ぁああっ!」




俺は一瞬呼吸が止まりそうな圧迫感を感じ、声もあまりでなかった。だが幸いなことに、蕾は切れていないようだ。そこまで痛くない。

「ッは。やっぱりキツイですが、大丈夫だったようですね。」
骸は俺の肩に顔をよせ、俺の頬にキスをしてそう言った。
「だ、だいじょうぶ、ってどこのくちが、いっ、てんだッ!」
俺は息も絶え絶えになりながらそう言って骸を睨むと、彼は俺の頭を撫でて、今度は口にキスを落とした。




「この口ですよ、綱吉君」






骸がそう言ってほほ笑んだあと、ゆっくりと動き始めた。
ギチュギチュと窮屈そうな水音が響くたびに、俺の1人用のベッドのスプリング音も派手に響く。ぎしぎしと揺れるたびに、俺はシーツを握りしめ押し寄せてくる快感を堪えた。

「はぁっ、あ、んん、は、」
もう、陰茎には一切触れていないのに俺の陰茎はさらに屹立して、先からはダラダラと蜜汁が垂れてくる。次第に、骸が動くたびにたてる音も彼の先走りや俺の淫液でスムーズになり、派手な水音を立てるようになった。

「綱吉君、気持ちいいですか?」
骸は俺の耳によせてそっとそう囁く。彼の吐息が耳に吹きかかるたび、俺はさらにぞくっと肌が粟立つような感覚を覚えた。
「ん、あ、あぁ!や、らめぇ」

俺が気持ちいいという返答をしなかったことに、ムッとしたのか骸はさらに激しく俺のナカをついてきた。そして、そのたびに彼のカリが俺の前立腺を刺激した。

「ひゃああうう!ぁ!もうだめぇ!!あんっ!」
俺はあまりの快感にすべてをぶちまけたい感覚に襲われたが、骸はソレを許さなかった。骸は再度、俺が簡単にイかないように、俺の陰茎を強く握りこんだのだ。

「どうなんです?綱吉君。気持ちいいですか?」
骸は俺の感じるあたりをぐるーっとグラインドし、そして集中的に打ち込んだ。
そのたびに激しい射精感が俺を襲うが、出口を閉ざされてるため、出て行くところがない。
「ぁっ、むくろ、イきたい!イかせてえ!」
俺は生理的な涙をぼろぼろと零しながら彼にそういうと、骸は俺の耳に舌を入れてきた。
「ひゃあう!」
ぬちょっとした感触が俺の背筋をぞくっとさせたが、それがいま欲しいわけではない。
今、してほしいのは…


「綱吉君ッ、どうなんですか?気持ちいいですかッ?」
そういって骸はズンっと最奥に己の陰茎を突き立てた。
「ぁあんッ!きもち、きもちいいからあ!だからッ、おねが!」

俺は狂ったようにそう叫ぶと骸はその答えに満足したのか俺の頭を優しく撫で、首筋にちゅーっと吸いついた。

「綱吉君、大好きです。」



そういって、彼は俺の陰茎から手を離すと、そのまま最奥に己の欲望を突きいれ、そのまま最奥でドクドクっと射精した。
俺はその感覚にすべてのヒューズが飛び、いままで溜めていた精液をドピュっと出した。
骸は俺が全てを出つくしたあとも、まだ射精を終えておらず、すべてを出しつくすまで俺の中で軽くピストンをした。







* * *





「で!これのなにがところてんなんだよ!余計熱くなっただろ!このばかー!!」
俺は意識がしっかりしてきたあと、暑苦しいにも関わらず俺を抱きしめて離さない骸に怒鳴った。
「ん?あれ、綱吉君知らないんですか?」
骸はしれっとした顔でそう言ったあと俺の眼にキスを落とした。

「ア●ルファックされて、そのままイってしまうことを『トコロテン』というんですよ」
今日の最後は、前弄らなくても、イっちゃいましたねぇ、綱吉君。
にこーっと不敵に笑ってそう言った骸をみて、二度とこいつの前では「ところてん食べたい」とは言わないでおこうと思った。









*心太(ところてん)…押し出されて自然に前へ進むこと。(広辞苑)
転じて、陰茎を直接刺激せず、後ろから前立腺を刺激されて射精してしまうことをさす。





(終わり)
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