treasure

□ザンツナ←スク兄妹パラレル
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「・・・・・・・。」

朝、何時ものように起きてリビングに行く。するとそこには何時もの光景が広がっている。
しかし俺は最近その光景は異常なのでは?と疑問に思うようになってきた。


「あ!スクアーロ兄さん、おはよう!」

「綱吉。カス鮫なんかより今は朝の挨拶の途中だろ?」

「あ!ごめん。ザンザス兄さん・・・んっ」



目の前にいる綱吉とザンザスは朝っぱらだというのにも関わらず熱烈なキスを交わしている。

一つ言っておくが俺とザンザスと綱吉は兄妹だ。
よく似ていないとは言われるがれっきとした血の通った兄妹だ。

この光景は10年も続いていて俺は慣れてしまったが(麻痺してるのか?)他の奴らから見たら異常だろう。

「オイ!カス鮫!さっさと飯作りやがれ!綱吉が腹空かせてるだろうが!」

一応紹介しとくがこいつは長男のザンザス気持ち悪いくらいシスコンだ。もう既にシスコンレベルじゃねぇことを綱吉にしてやがる。

「スクアーロ兄さん!二人の方が早いし手伝うよ!」

こいつは綱吉。本当にザンザスの妹なのかってくらい可愛くて優しい自慢の妹だ。(俺も何だかんだでシスコンだ)

パタパタとスリッパを鳴らして駆け寄ってくる綱吉は可愛い過ぎて目に入れても痛くねぇとはこのことだな。

そんな幸せな気分もソファーに座った長男の人一人殺せそうな目線でぶち壊され、俺は慌てて朝飯の用意を始めた。










「ザンザス兄さんのバカっ!!」

出来立ての目玉焼きとウインナーが乗っかった皿をリビングまで運んで行くと、珍しく綱吉が大声をあげていた。

「う゛ぉぉぉぉい!何やってんだぁ?」

「スクアーロ兄さん!」

思わず朝飯が乗った皿を落っことしそうになるくらいの勢いで綱吉が俺の腰に抱き着いてきた。

「う゛ぉい!どうした綱吉!?まず離れろ・・・」
(ザンザスの視線が怖ぇ!)


「うぇっ・・・うっザンザス兄さんが・・・!」

ついに綱吉はでけぇ目からボロボロと涙を流して泣きはじめた。

「ザンザスに何かされたのか?」

「カス鮫に関係ねぇ」

そう言ってザンザスは二階へと登って行ってしまった。

残された俺はとりあえず綱吉の肩をぽんぽんと叩いて宥めてやって落ち着かせた。








しばらくすると綱吉は落ち着きを取り戻した。
泣き疲れたのだろうそのまま眠ってしまった。

(・・・・あの二人が喧嘩なんて珍しいな)

ソファーに寝かせた綱吉の上に綱吉のお気に入りの猫のイラストがついた毛布をかけてやった。

(とりあえずザンザスの所に行くか)

この険悪なムードを何とかしようと俺は階段を登った。












「おいザンザス!入るぞぉ」

ドアを開けた瞬間小学校の時俺が作った紙粘土製の人形が顔すれすれに飛んできて壁に当たって砕けた。

「勝手に入ってんじゃねー!カス鮫が!」

「あのなぁ・・・そんな事より綱吉と何があったんだぁ?」

「・・・・・テメェには関係ねぇだろ」

ザンザスは珍しくバツが悪そうに顔を背けてしまった。
そのあとも聞くが「カスが!」とか「うるせぇ」だのしか言わないザンザスからは何にも分からず俺は諦めて再び下へと戻っていった。

下に行くといつの間にか綱吉も自分の部屋に戻ったのだろうソファーにはいなかった。

俺は珍しく静かな家に困って頭をぼりぼりかいてとりあえず策を考える(気分転換でもある)ために昼飯の買い出しへ出かけた。














気分転換のかいがあってか俺の脳内には二人を仲直りさせる良いアイディアが思い浮かんだ。
それは昼飯は二人の好きなものを作って二人の機嫌を取ろうと言うものだ。
(ありきたりだが)

家に帰る間もどう二人を仲直りさせるかとか何を作れば機嫌が良くなるかとか俺は悶々と悩んでいた。



「帰ったぞぉ」

「スクアーロ兄さん!お帰り!」

家に着くと2時間前ほどとは全く逆の何時もの綱吉が出迎えた。

「綱吉!?」

「綱吉!カス鮫なんかほっといてこっち来い!」



どいゆう事だ?さっきの雰囲気とは打って変わって何時もの雰囲気に戻っている。
綱吉はザンザスの膝の上に乗ってザンザスからのキスを受けてやがるし・・・・

「おっおい!どうなってるんだぁ!?今朝は・・・」

「あ!それ?もうスクアーロ兄さん聞いてよー!ザンザス兄さんってば酷いの!」

「それは謝っただろ」



綱吉の話しだと昨日綱吉は友人と買い物に行って・・その・・ピンクの下着を買ってきたらしく、それをザンザスに見せた。
するとザンザスは白の方がよかったとか言い綱吉は「似合わない?」と聞くと奴は「白のほうが良い」とか・・・・んで冒頭に至る訳だ



正直意味が分からない!
つか兄妹でんな話しすんなよ!



と俺が頭が真っ白になって立ち尽くしている間にも二人は

「綱吉昨日買ったのは俺に着て見せてくれねぇのか?」

「えー。ザンザス兄さんのエッチ!」

とかイチャつき始めた。



俺はやるせなさと馬鹿馬鹿しさから床にへたりこんだ。




END



最後のスクアーロは
orz←これです



■□■□




ザンザスの独占欲の強さと綱吉のザンザスへの甘えっぷりがとてもかわいかったです!!

なによりも……、スクがかわいすぎです!!
スクの苦労人なところがものすごく萌えました!


ありがとうございましたっ!




snow

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