treasure
□キミ依存
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「…なにか、用ですか?」
3日ぶりに訪れたわりと新しめの彼のアパート
数回かの呼鈴の後、ドアを開けてくれた彼の白い頬にはうっすら赤みが差していた。
「うわ、酒くさっ…ってお前、また飲んでたのか?!」
彼の病状を知る綱吉は真っ青になる。あれほど飲むなときつく言ったのに。
何時もはきらびやかに光る左右色の違う瞳は、腫れぼったい瞼の下で死んだように光を失っている。
既に日は落ちているというのに、朝から飲んでいたことは誰の目にも明らかだった。
「別に、君に関係ないでしょう?」
骸は心配で声を荒くする綱吉にさえそう吐き捨てて
右手に握られていた瓶を口に持っていき、ぐびりとそのまま斜めにした。
中に入った透明な液体が揺れながら勢い良く体積を減らしていく。
「おま、それ以上飲むなってっ」
慌てて酒瓶を奪い取ろうと片手を伸ばすが、珍しく強い力で反抗されて反動で彼の手から滑り落ちた。
パリィィィィィィィン
硝子の破片と液体が床へ飛び散り、思わず顔をしかめたくなるような独特な酒臭が玄関に充満する。
その様子に骸の青い血管が一気に浮き出した。
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