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□フシギバナたちと花畑
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たまには日光浴を好きなだけさせてやりたいなあ。そう思って自然公園へとつれだしたら草むらでキャッキャと仲良く遊んでいる。やっぱり遊びたかったんだな。

おとなしく、のんびりしている子達だから、それについ甘えてしまう。
忙しさを理由につい、つい、と。体を動かす機会を延ばしていっていた。

フシギダネとフシギソウは花畑へと向かって行ったようだ。着いた先ではフシギソウがお兄ちゃん風を吹かせて、フシギダネのまだ咲かない蕾に花輪を作ってやっていた。


「うちの子天使すぎる……!ああくそ!カメラ…ないや!携帯…不携帯!」


にこおっと笑うフシギダネに、照れ笑うお兄ちゃん。花畑で育むのは兄弟愛である。
この兄弟ほど、仲睦まじいたねポケモンはいるだろうか。あまりの可愛すぎるパンチにくらりと頭が衝撃をもらってしまう。

傾く体を支え、ふらつく足をツルが止める。フシギバナが後ろから呆れた目をのぞかせていた。


「ごめんねフシギバナ〜体が鈍ってない?バトルしに行く?」


それに首を振って、フシギバナは2匹のほうに目を向けた。
今度はフシギダネが花冠を作ってあげるらしい。フシギソウは、つんとすましながら、ちらちらと彼女をうかがっている。嬉しいけれど兄としての威厳が素直にさせないらしい。

フシギバナは2匹の様子をみて、ちらり、とツルが捕まえている人物を見る。

じいいいいっと見る。見る。見る。
目は口ほどになんとやら。長年の付き合いで、パートナーである。それを分からない筈がない。



「私たちも、混ぜてもらおうか」



確認というよりは、宣言である。言いながら、足も既に動かしている。フシギバナは同じく黙って歩き出した。

しかし歩き出したばかりだの背中はピタリと止まってしまった。振り返って一言。

「花冠、いちばんにあげるからね」


そう言って、走り出した背中に、今度はフシギバナがぴたりと止まる番だった。
ぱちくりと瞬き。それから、緩みそうな頬。どうやら隠しきれそうにない。フシギバナは微笑みながら、ゆっくりと小さな背中を追いかけた。






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