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□ワンリキーの上腕二等筋を、プニ
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ふんわりと、しかしハリをもった弾力が指を押し返す。鍛えあげつつある、途上の筋肉はまだふやふやと柔らかい。しかしそれは力強さを兼ね備えた柔軟さである。
上腕二等筋に指を押し当てナマエは強弱をつけて刺激する。
ふやふや。
ふや、ふや。至福に浸るため息が口の端から漏れる。
ワンリキーは困惑しながら自分の腕に構うナマエを見やった。もうこのまま、10分が経つ。


「くふふぅー…堪らん柔らかさ…!」


よりいっそう、ひどくなる突っつきに、ワンリキーは顔をしかめた。本当なら、ひっぺがしてしまいたい。このままでは、鍛練も出来ないのだから。
しかしレベルの低さが、そのまま、己の力量である。力に任せてナマエを引っ張ったとして、うまく力をセーブできるか自信がないのだ、情けないことに。

だらりと腕を垂れ、ひたすら我慢する。
ぐうと喉を悔しげに鳴らすワンリキーに、ナマエはにこにこと満足そうに笑った。



「お見通しだよ、優しい格闘家さん」



指先がこしょこしょと腕をくすぐる。ワンリキーは皮膚の上を転げ回るナマエの指を困ったように目で追った。もたろん手は出さない。
ナマエに怪我をさせないためなら、くすぐったいのも、恥ずかしいのも、困るのも、我慢せねば――。
でも。でもやはり。
困った。
ワンリキーはぐうとまた喉を鳴らし、遣りようのないもどかしさに身動ぐ。ナマエはその様子に、ついに笑い声を零して、本格的に構われようとワンリキーに全身で抱きついた。










 

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