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□ヨマワルたちと疲れた女
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死にたい。
死にたかった、
それくらいには、死に体だった。
なにをやっても裏目に出るし、
なにをしても同意は得られず、
信頼がパラパラとはがれていった。
期待がするすると閉ざされていった。
孤独と疲労と、落胆しか獲られなかった。だれかのため息が辛かった。だれかの目線が怖かった。
「もう怖くない。死ぬって…これだけだろうか」
なら良かったと喉がひきつる。早々に死ねば良かった。
死ぬのも怖いし生きるのも辛い、だなんて。思わず、悩まず、さっさと死ねば良かったのだ。
サマヨールに喰われて目を開ければ暗闇しかない。
居眠りしているような、
温水にまどろむような、心地のよい「コレ」が死んだ事ならさっさと死ねばよかったのだ。
もう怖くない。何もない。ナマエはにっこりと笑った。目から涙がぼろぼろと出てくる。大きな口から嗚咽がでてくる。
でも笑っている。
嬉しい涙が温かい。
「ありがとう!ありがとう!本当にありがとうございます!」
わんわん泣きながら死にたいと思って、そう思わなくていい事に気づいた。もう死んでいるのだから。
それが嬉しくてまた泣いた。
泣いて喜ぶナマエの背中を、赤い目玉がじいっと見ていた。