綴文-voiceT-

□Sweet bitter side V+S
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「ヴィア、状況はどうだ?」
「潜入ポイントに到達しました。これからミッションに入ります」

無人のような収容所の中、けれど扉の向こうに潜む気配はピリと張り詰めている。忍ばせる足音は何故か身体を逆流して鼓動を拾い、頭にガンガン響いている。

敵地潜入のスリル。
嫌いじゃない。
けれど今日は心地よさだけが支配している訳ではなかった。
牢にトンベリ潜ませるなんてアバランチもいい性格をしている。みんなのうらみだろうが、知った事か。捜索を阻むそれを構わず叩き伏せると、けたたましく警報が鳴った。

「ちッ」

予想範囲、だが。

「何処にいやがるんだ、あの女…」

独りごちて、独房を覗き探していく。
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