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□一目惚れ
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あちこちの廊下の窓が開いているから、外の声が沢山聞こえる。
私は一階まで、降りて体育館へ足を運ぶ。
特に意味はないんだけれど。

「…遅刻だ桃城…グラウンド10周」

微かに。
窓の外から聞こえた声。



…なるほど…部活に遅れそうだったワケね…。

右を向けば調理室。

誰もいない調理室に入り込んで、窓の外を眺めてみる。
テニスコートが見えた。
噂に名高い男子テニス部の面々が練習中…の様子。

あまり興味がなくて、実は全然知らない人ばかりだ。わかるのは、隣のクラスの桃城と同じクラスの海堂くらい。

しかも、フェンスには何人もの女子生徒が囲んでは黄色い声援がとんでいる。
非常に見にくい。


「……大石っ」

沢山の声に紛れて、さっきと同じ声が聞こえる。
ふと、声の主へと顔を向けた。






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