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□七夕
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7月7日 七夕。
雲一つない、おっそろしく良い天気の本日。
昼休みは、景吾と屋上でのんびりしていた。
日陰に入れば、それなりに涼しくて。
お弁当を食べた後では、眠さも倍増で。
フェンスにもたれて、洋書を読みふけっている景吾は、まったくもってかまってくれる気配はない。
可愛い彼女が横にいるっていうのにさ。
緩やかな風が通り過ぎる
眠くなってきたなぁ〜…と思いながら、空を見上げた。
雲一つない空だから、今日は織り姫と彦星は会えるんだろう。天の川も、きっと綺麗に見えるからお互いの姿も見えるよね
…あ。
「お願いしなきゃね」
笹はないけどさ。
どうしようか…。
「…何を願うってんだ」
聞こえたのは景吾の声。
「…う〜ん。今なら、テニス部が勝てますようにとか?」
「あ〜ん?」
気に食わなかったらしい