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□一目惚れ
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視線が合った。
「…………へ?」
我ながら間の抜けた声が洩れた。
遠いテニスコート。人だかりのフェンス。でも、小さな隙間を縫って、出会った視線。
バクバクいってる心臓。
「うっそ。有り得ない。そんなの、オカシイって。いやいや、偶然だもの。偶然…たまたま…ね」
背が高くて。
眼鏡をかけてて。
眉間に皺を寄せて。
思わず逸らした視線をもう一度、テニスコートに移しても、もう見えない。それを、残念に思う自分がいる。
さあ。
これは、偶然?必然?……それとも、運命?
名前すら知らない。
でも、この心臓は…どうやら驚いたせいではないみたい。
あなたを知りたいと感じた。
これが
恋の始まり。
⇒オマケ
*