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□一目惚れ
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2年生に進級した。
ポカポカの春の陽気は、いつの間にか痛い位の陽射しに変わっていて。
「暑い」
放課後だというのに、まだ生温い風が吹く午後4時。
「…昼よりマシか…」
友人の真樹が、今日は早く終わるから待ってて、と豪語して委員会へ行ってしまって、はや一時間……。
教室でボーッとしているのにも飽きてしまった。
…ヨシ、散歩をしよう。
真樹には、メールを入れて、私は教室を出る。
途端、廊下の奥から猛然とダッシュしている人影を発見。
「……………も…」
ヒュンと音がしたんじゃなかろうか。
「桃…城〜」
すでに見えなくなった後ろ姿を想像して、とりあえず中途半端にでた言葉を紡いでおいた。
*