clapping monkey

□お題拍手小説
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【猫】


現代は戦国の世と違い、夜が暗くない。
絶えず街灯が周りを照らすから、犬夜叉はそれに少し違和感を感じながら、警戒心を解かずにそろりと歩いた。

がらりと開けたのは、不用心にも鍵のかかっていない彼女の部屋の窓。小さな豆電球の灯った室内に、彼は少しだけ躊躇したあとに足を踏み入れた。

「……寝てんのか‥?」

自分にしては小さく遠慮がちに発した言葉。声をかけた彼女は、すうすうと可愛らしい寝息をたてて布団にくるまっている。

外は薄い青が伸び始めていたが、それでもまだ街灯の明りは役目をきちんと果たしていた。

そ‥と寝ている彼女の枕元に手をついてみた。その時薄く彼女の目が開いた。

「‥起こした‥か、」

少なからず動揺した犬夜叉は言葉を途切れさせた。

当の彼女は自分の枕元にあった彼の顔をまじまじと見つめると、急に顔を緩ませて笑った。

「あー………起こしに来てくれたのー‥?」

すると彼女は力の入らない腕で彼の顔をやんわりと包み、顔を近付けた。

ちゅ…と小さな音をたてて彼の鼻の頭から唇を離す。

「でも…もうちょっとだけ寝…るね……」

するりと腕が顔から離れる。

「おやすみ…」






「ミーちゃん……」






彼の頭が状況把握出来るほどに落ち着くまで、一点を見つめたまま動かなかったのは…また別の話。






《後書き》
自分の犬耳を、飼い猫のミーちゃんのと間違えられた犬さんの話(笑)









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