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□転入生零くん
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「錐生くーん、こっちこっちー」

「はぁ、一条さんですか…」

「僕の隣ね、あ、統計学の本持ってる?」

「いえ」

「次の授業はこれ必需品だから、買っておいた方がいいよ。枢から聞かなかった?」

「いえ」

「まーったく枢ったら」

「あいつが俺に親切する訳ないですよ」

「うーん、そうかなぁ?でも枢のこともだけど、ナイトクラスの子が言うこととか、あんま気にしちゃだめだよ?」

「大丈夫です。眼中にないんで」

「さすが錐生くん。なんか野性児って感じ」

「野性児?」

「なんていうか、ちょっとたくましいよね。うん、枢に負けずに頑張ってね!僕も応援してるからっ」

「頑張るって何を…ぼそぼそ」

「まぁ、枢もある意味、野性児って感じだけど」

「…」

「何そんなポカンとしちゃって、やだなぁ、錐生くんもそう思わない?」

「思います。けど」

「けど?」

「さっき俺のことも野性児って言いましたよね?」

「うんそうだよ。なーんか二人って、同じ匂いがするんだよねぇ、僕的に」

「・・・」

「あはは、気に障ったらごめんね。ねぇ、部屋ってどこだか枢から聞いた?」


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