**
□遺書
3ページ/7ページ
彼女がいなくなって一通の手紙が届いた。見慣れた文字で宛先が書かれていて、これは死者からの手紙だ、なんて思ったけど出した日付は命日の前日と記されている。
中身を破かないよう注意しながら、びりりと封を切り、中の便箋を取り出す。間違いない、彼女の字だ。
おかしなことに俺は、まだ事実を受け入れられない。でもそれは、心にぽっかり穴が開いてしまったからかもしれない。悲しみとかそんな感情が、麻痺してるのかもしれない。
彼女の文字。決して綺麗じゃないけど、俺は好きだった。
.