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□気まぐれな君
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「不良の支葵千里はっけーん」
「うわ、さいあく…」
今日は小春日和。外の庭でぬくぬくと昼寝をする支葵は、授業をほっぽりだしてたりした。もちろんそれは私にも当てはまる。
「支葵さー単位やばくない?」
「だまって」
「だって全然授業出ないじゃんかー」
「あんたほどじゃ、ない」
そりゃそーだ。私と支葵は学年トップのサボり魔。先生は頭がいいから私たちのことを諦めている。まったく学習能力がある人達だ。
「まぁ、留年したらよろしくね」
「やだ」
「なにさー、学年トップの仲じゃん」
支葵はぷい、と顔を反対に向け背中を丸めて、再び寝ようとしているらしい。なんか猫みたい。猫じゃらし、好きかな、好きそう。
「どこ行くの」
「へ?猫じゃらしを探しに…」
「やだ、そこいてよ」
支葵はやっぱり猫だ。ちょー気まぐれ。支葵に腕の袖をくいっと引っ張られ、私はまた芝生に腰をおろす。
「仕方ないからいてあげる」
「うざ」
「お互いさまでしょー」
「そういうとこ、うざい」
ふぅ、拉致あかない。もういいや、私も寝ちゃおう。なんせ今日は小春日和。おまけに気まぐれ猫の隣は意外に、寝やすいんだ。
気まぐれな君
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